トヨタ、水素エンジン車の量産化を正式決定
トヨタ自動車は、水素を燃料とするエンジン車の量産化に向けた本格的な開発に着手する。2027年までに商用車を皮切りに市場投入する計画で、既存のガソリンエンジン技術を転用することで開発コストを抑制し、早期の実用化を目指す。
水素エンジンの仕組みと優位性
水素エンジンは、水素を燃焼させてピストンを動かす内燃機関で、CO2を排出しない。燃料電池車(FCV)と異なり、希少なレアメタルを使用せず、既存のエンジン製造ラインを活用できるため、コスト面で有利とされる。トヨタはこれまで、カローラスポーツをベースにした水素エンジン車でスーパー耐久レースに参戦し、技術蓄積を進めてきた。
商用車から始める量産計画
トヨタはまず、小型トラックやバンなどの商用車に水素エンジンを搭載する。商用車は走行距離が長く、給油時間の短さが求められるため、水素エンジンの特性に適している。乗用車への展開は2027年以降を検討する。水素エンジン車の販売価格は、現行のFCVより低く抑える方針で、補助金を含めればディーゼル車と同等程度になる見通し。
水素インフラ整備が課題
普及には水素ステーションの整備が不可欠だ。現在、日本国内の水素ステーションは約170か所と限られており、トヨタは政府やエネルギー企業と連携し、2030年までに1000か所への拡大を目指す。また、水素の製造コスト低減も課題で、トヨタは再生可能エネルギー由来のグリーン水素の供給拡大を推進する。
競合他社の動きと市場展望
日産自動車やホンダも水素技術の研究を進めるが、量産化ではトヨタが先行する。一方、世界的にはEVシフトが加速しており、水素エンジン車の市場規模は限定的との見方もある。トヨタは「マルチパスウェイ戦略」を掲げ、EV、FCV、水素エンジン車を併用する方針だ。
トヨタの豊田章男会長は「水素エンジンは日本の技術力を活かせる分野。商用車から普及させ、カーボンニュートラルに貢献したい」と述べている。



