SBIネオトレード証券、レバレッジ1倍の信用取引「ライト信用」提供開始
SBIネオトレード証券、レバレッジ1倍の信用取引開始

SBIネオトレード証券は2026年8月14日、レバレッジを1倍に抑えることでリスクを軽減した信用取引サービス「ライト信用」の提供を開始した。通常の信用取引ではおよそ3.3倍まで取引できるところを、あえて1倍に制限しているのが最大の特徴だ。

同サービスの開発背景や仕組み、初心者が陥りやすい失敗まで、同社カスタマーサポート担当の山下氏に話を聞いた。

レバレッジ1倍で信用取引のリスクを抑える

――今回「ライト信用」を開発した経緯を教えてください。

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まずNISAなどの普及を受け、株式投資への心理的なハードルが下がっていることが挙げられます。信用取引は上手く利用することで、リスク抑制や投資機会の増加といった形で投資の幅を大きく広げられる可能性がありますが、世間一般では信用取引のリスクが強調されるばかりで、株式投資の魅力を伝えていく我々としては歯がゆい思いを感じておりました。

「リスクを抑えた信用取引」をサービスとして提供することで、少しでも信用取引の負のイメージを払拭して、多くの投資家の方に投資の選択の幅を広げていただきたいと考えたことが開発のきっかけとなります。

――そもそも信用取引とは何でしょうか。

信用取引とは、現金や株式などを担保(保証金)として証券会社に預け、それをもとに株を売買する仕組みです。現物取引では、同じ資金を使って同一銘柄の売買を同じ日に繰り返すと、差金決済に該当するため取引できない場合があります。一方、信用取引では、同じ資金を使って、同じ日に繰り返し売買することが可能です。

さらに、信用取引では「先に売っておいて、後から買い戻す」という逆の順番の取引も可能です。これにより、株価が下がっている局面でも利益を狙えるのが、信用取引ならではの魅力と言えます。

ライト信用と通常の信用取引の違い

――「ライト信用」は通常の信用取引と何が違うのですか。

一般的な信用取引では、預けた保証金に対して最大およそ3.3倍まで取引できます。例えば30万円を用意した場合、通常の信用取引であれば約100万円分の売買を繰り返し行えます。一方、ライト信用の場合は30万円を超えて投資することはできません。レバレッジをかけない1倍の取引に限定しているのが最大の違いです。

――レバレッジをかけないのであれば、「ライト信用」を使うメリットはどこにありますか?

先述した通り、「売りから始める」ことができるため、株価が下がっていけば利益を出せます。これに対し、株価は上限が定められておりませんので(一日あたりの価格制限はあります)、株価が上がっていくのに合わせて、損失も制限なく拡大をしてしまいます。この制限ない損失の可能性が信用取引で最もご注意いただきたいポイントです。

しかし、株価が青天井に上昇し、損失が発生した場合でも、レバレッジを1倍に制限することで、通常の信用取引に比べて保証金の額を上回る投資をしてしまうリスクを抑えられます。それでいて「売りから始められる」というところが「ライト信用」を利用する価値になると考えています。

――ちなみに「売りから始める取引」について具体的に教えてください。

まず「下がる」と予想した銘柄に新規売り注文を入れます。予想通り値下がりしたところで買い戻して、下落局面でも利益を狙うことができます。例えば、株価が1,000円のタイミングに売りを行い、その後、株価が800円になったタイミングで買い戻すことで、手数料や貸株料などを考慮しなければ、1株当たり200円の利益になります。

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通常の現物取引であれば、1,000円で買った株が1,100~1,200円にならないと利益が出ません。株価が下がって800円になったとしても、売りから始めていれば利益を出すことができます。

初心者が陥りやすい失敗

――信用取引に慣れていない人が実際につまずきやすいポイントを教えてください。

ライト信用で制度信用取引の売りから始めた株を保有していると、「逆日歩(ぎゃくひぶ)」が発生する場合があります。逆日歩とは、簡単に言うと「株を借りるための追加料金」とイメージしてください。売りから始めた場合、株を借りるための貸株料がかかります。制度信用取引では、それに加えて、株式の需給が逼迫した場合に逆日歩が発生することがあります。

ある銘柄に「売りたい」という注文が集中し、株の貸し手である日本証券金融で株式が不足すると、日本証券金融は、機関投資家等から株券を借りてくる対応をいたします。この時にかかるコストが逆日歩です。また、逆日歩は厄介なことに、金額があらかじめ決まっておらず、株の需給状況によって日々変動します。逆日歩が発生したため、余計なコストの支払いに戸惑う人は珍しくありません。

――逆日歩が発生しやすいのはどのような場面ですか。

現物株式を保有しながら同じ銘柄を信用で売る「つなぎ売り」(現物買いと信用売りを同時に行う手法)の場面です。株主優待が充実しているような銘柄では、優待を目的につなぎ売りをする人が増えるため、信用売りがどんどん増えていきます。そのため、株主優待の権利確定日が近づくと、逆日歩のリスクが高まることを想定しておくと良いでしょう。

――「逆日歩の金額は変動する」というお話でしたが、どれくらいの金額が発生するものなのですか。

仮に株主優待が1,000円相当でも、保有株数と日数に応じた逆日歩が合計3,000円かかれば、結果的に2,000円のマイナスになります。「リスクなく優待をもらえる」という都合の良い情報だけを鵜呑みにし、逆日歩というリスクを想定せずにマイナスになる人は初心者に多い印象です。

――他にはどういったリスクが想定されますか。

「追証(おいしょう)」といって、保有株が下落して含み損が膨らみ、購入額に対する保証金の割合が20%未満になった場合に、追加保証金を求められる仕組みが挙げられます。追証が発生する際は、すでに損失を抱えているケースがほとんどです。早い段階で対策を講じておかないとかなりのコストがかかってしまいます。

また、現物取引では、保有株が証券会社によって強制的に決済されることは基本的にありません。しかし、信用取引の場合は、追証に対応しないと強制決済になってしまいます。現物のように「多少は放置しても良い」という考えはやめ、「自分は信用取引をやっているんだ」という意識を常に持ち、相場環境や自分の今の保有状況がどうなっているのかを確認していただきたいです。ただ、「ライト信用」はレバレッジが1倍というところなので、そこまで神経質にならなくても良いのかなとは思っています。

信用取引のステップアップに

――インフレや金利上昇などで相場が不安定な局面では、「ライト信用」はどのように活用できますか。

相場の値動きを見ながら、デイトレードで同じ銘柄を繰り返し売買し、短期的な利益を狙う方法があります。あるいは、保有株と同じ銘柄などを信用売りし、一時的な値下がりに備えるというのも1つの利用方法です。

信用取引は保有期間に応じてコスト負担も発生しますので、「中長期でじっくり保有したい」という安定的な運用よりは、どちらかというと「積極的に収益を狙っていきたい」といったニーズを満たす取引です。「日々売買を繰り返してみたい」「上がる時も下がる時も狙いたい」「振り幅が小さくても積極的にやりたい」という人に向いているサービスになります。

――改めて、信用取引そのものの魅力はどこにあると思いますか。

下落局面でも利益を追求できたり、資金を繰り返し使えるといったところが魅力です。弊社としては「ライト信用」は、本格的に信用取引を利用する前に、手軽にリスクを抑えて試すことができるエントリーモデルサービスと位置付けておりますので、「ライト信用」で信用取引におけるスキルや経験を積んでいってほしいと思っています。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

期間限定ですが、サービス開始を記念したキャンペーンを2026年11月30日まで実施しています。キャンペーン期間中にライト信用口座を新規開設すると、口座開設の翌営業日から1カ月間、制度信用取引の買方金利が通常の年2.30%から年0.99%に優遇されます。ぜひこの機会に「ライト信用」で新たな投資の魅力を体感してみてください。