京都大学は20日、理化学研究所の大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)の次世代施設に、物質を多角的に同時計測できる世界初の研究設備を建設すると発表した。2029年度に運用を始め、政府が推進する水素エネルギー研究に活用する。
次世代施設「スプリング8-2」の性能
理研が整備する次世代施設「スプリング8-2」も同年度に運用開始予定で、現状より100倍明るい世界最高性能の放射光を発生させることが可能になる。
世界初のビームラインと水素研究
京大はこの放射光を利用する専用の研究設備「ビームライン」を新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で建設する。水素を使って発電する燃料電池などの材料を複数の手法で同時計測し、製品開発につなげる。これまで約1か月かかっていた計測が1日で完了するという。
昨年、ノーベル化学賞を受賞した北川進特別教授が開発した多孔性材料「金属有機構造体(MOF)」も水素を貯蔵・分離でき、この設備で研究する方針。京大で開かれた記者会見で、北川さんは「理想的な材料の設計につなげられる」と話した。



