発電事業者の供出義務期間は年4回へ:第4回中長期脱炭素市場検討WG
発電事業者の供出義務期間は年4回へ:第4回WG

2028年度に開設が予定されている「中長期脱炭素市場」について、第4回「中長期脱炭素市場検討ワーキンググループ(WG)」で、発電事業者の供出義務期間を年4回とすることや、市場範囲・市場分断リスクへの対応、供出量を高める方策の具体案が示された。

供出義務の具体案

電気事業法では、小売電気事業者に対して供給力の確保を義務付けており、2030年度以降は、これまでの供給力(kW)だけでなく、量的な供給力(kWh)を求める予定としている。具体的には小売電気事業者は、以下の自家想定需要(kWh)に相当する量の供給力(kWh)の確保が義務付けられる。

  • 実需給の3年度前(N-3年度)に5%(※小規模事業者は2.5%)
  • 実需給の1年度前(N-1年度)に7%(※小規模事業者は5%)

市場開設当初に取り扱う商品

中長期脱炭素市場では、小売電気事業者に課される供給力(kWh)確保義務との整合性を図る観点から、市場開設から当面の間は、受渡期間1年分の商品を、実需給の3年前と1年前に取り引きすることが予定されている。

また、これらの商品の「負荷パターン」としては、市場開設当初は、商品数を絞って取り引きを集約し、各商品における流動性の確保と価格指標の形成を図ることが重要であるため、以下のような分類とする。

  • 実需給の3年前に販売される商品:ベース商品
  • 実需給の1年前に販売される商品:ベース商品とミドル商品

商品設計の詳細

なお、WGでは、市場開設時点から当面の間、市場運営者に最低限設定を求める商品について検討しており、市場運営者の考え次第では、WG事務局案以外の商品(例えばピーク商品)も上場可能であることに留意したい。

発電事業者の電源構成などによって供出できる負荷パターンに制約があることや、市場開設前には商品ごとの供出量や買手の需要を十分に見通すことが難しいため、市場開設時は供出義務「総量」のみを規定し、負荷パターンごとの最低供出割合は設けないこととする。負荷パターンに限らず、市場開設後の取引状況や、買手の具体的な調整ニーズ、売手の供出意向等を確認し、十分な取引量が見込まれる商品については、最低限設定を求める商品としての追加や見直しを検討する。

「事後調整付商品」については、LNGや石炭などの発電用燃料の長期調整契約において燃料費調整のために活用される、原油などの指標(Index)などを活用した事後調整を設定する方法を採用するものとする。事後調整付商品/事後調整なし商品別の最低供出割合は設けないこととし、事後調整付商品の数に制度上の上限も設けないこととする。