アメリカの半導体大手エヌビディアを率いるジェンスン・フアンCEOと、元セガ社長でホンダ元副社長の入交昭一郎氏が、2026年7月15日夕方、東京・秋葉原の「GIGO秋葉原3号館」で2年ぶりに再会した。この会談では、1990年代半ばのセガによるエヌビディア救済のエピソードが改めて語られたほか、ホンダの二足歩行ロボット「ASIMO」とエヌビディアを結ぶ意外な点と線が明らかになった。
創業期のエヌビディアを救ったセガの決断
エヌビディアは1993年に創業。セガの次世代ゲーム機「ドリームキャスト(ドリキャス)」向けグラフィックスチップ(GPU)の開発を受託したが、開発は頓挫し、倒産の危機に瀕した。しかし、当時セガ副社長だった入交氏は、エヌビディアの技術力とフアン氏の才能を評価。中山隼雄社長を説得し、500万ドルの出資という異例の決断を下した。
「マイ・ヒーロー」フアンCEOが感謝を表明
再会の場でフアン氏は、入交氏を「マイ・ヒーロー」と紹介し、「もしセガと入交さんからの500万ドルの出資がなければ、今日のエヌビディアは存在しなかった」と最大級の感謝の言葉を述べた。2人はゲームファンやメディアを前に、かつての熱い日々を振り返り、当時のエピソードを克明に語った。
ASIMOとエヌビディアの意外な接点
今回の会談で注目されたのは、ホンダの二足歩行ロボット「ASIMO」とエヌビディアの関係だ。入交氏はホンダ副社長時代、ASIMOの開発に関与。フアン氏との間で、ASIMOの制御システムにエヌビディアのGPUを活用する可能性について議論されたという。具体的には、ASIMOのリアルタイム画像処理やAIによる歩行制御にエヌビディアの技術が応用できないかが話題に上ったとされる。
ドリームキャストからASIMOへ、技術の系譜
フアン氏は「セガのドリームキャスト向けGPU開発で培った技術は、その後のエヌビディアの成長の基盤となった。そして今、その技術がロボティクスの分野で新たな可能性を切り拓こうとしている」と述べ、ASIMOへの応用に意欲を示した。入交氏も「ASIMOの開発には多くの課題があった。エヌビディアのGPUがその解決に貢献できるかもしれない」と期待を寄せた。
2人の絆が生んだ未来への布石
今回の再会は、ゲーム大手セガとの共同イベントの一環として行われ、フアン氏は入交氏や「バーチャファイター」生みの親である鈴木裕氏と共に参加。集まったファンやメディアの前で、2人の絆が改めて確認された。エヌビディアとホンダの協業が具体化するかどうかは不明だが、ASIMOとエヌビディアを結ぶ点と線は、ロボット技術の未来に新たな光を投げかけている。



