AMDは「AMD Advancing AI 2026」において、組み込み向けプロセッサ「Ryzen AI Embedded X100」シリーズを正式に発表した。これまでP100シリーズのみが公開され、X100シリーズは2026年後半に出荷開始予定とされていたが、今回の発表で詳細が明らかになった。
Ryzen AI Embedded X100の主な特徴
X100シリーズは、Ryzen AI Maxベースのプロセッサで、CCD×1または2+IODという構造を持つ。ラインナップはX168、X188、X199の各モデルと、その産業向けバリアント(i)が用意される。L3キャッシュはX168/X168iが32MB、X188/X188i/X199/X199iが64MBとなっている。
メモリはLPDDR5x-8533の8chのみサポートし、標準TDPは55W、cTDPにより45W~120Wまで変更可能だ。120WはこのクラスのCPUとしては高めであり、使いどころが限られる可能性もある。
Kria SOMの提供開始
今回の発表では、AMD自身が製造・販売するSOM「Kria AI SOM」の提供も発表された。規格はCOM-HPC Client TypeのSize B(120mm×120mm)で、Ryzen AI Embedded X100とLPDDR5xチップ、PMICなどを搭載し、単体で動作する。
Kriaブランドは2021年にFPGA向けSOMとして発表されたが、今回その適用範囲が組み込みプロセッサまで拡大された。これに伴い、新しいRobotics Development Kitも発表され、ロボティクスやフィジカルAI向けの開発を支援する。既存のKria SOMは引き続き提供されるが、新しいキットはAIを利用したロボティクス向けに位置づけられており、既存のZynq UltraScale+ MPSoCベースのキットとの互換性はあまり考慮されていないようだ。
ソフトウェアとエコシステム
リリースに合わせてRobotics Core SDKとPhysical AI SDKが提供され、今後さらにSDKが追加される予定だ。すでに複数の顧客との協業が始まっており、CASTEC InternationalのCollaborative Mobile RoboticsとFoundationのPhantom MK-2 Industrial Class Humanoidの2製品がRyzen AI Embedded X100シリーズを採用することが明らかにされている。



