米科学誌サイエンスの報道で、中国・上海の大学病院で安全性の検討が不十分なまま遺伝子治療が行われ、6歳の女児が死亡していたことが明らかになった。治療は臨床試験として、上海交通大学医学院の仇子龍研究員のチームが実施。大学側は特別作業部会を設けて調査を始めた。
サイエンスと、論文の不正などを監視するサイト「リトラクションウォッチ」が検証記事を配信してから3日後の7月26日、大学側は「本件を極めて重視しており、特別作業部会を設けて全面的な調査をしている」と声明を発表した。
投与から7日後に死亡
記事によると、仇氏らのチームは脳内の神経細胞の遺伝子の変異を書き換えるゲノム編集治療を計画。昨年3月、知能や発達の障害がある世界に約250人しかいない希少な疾患の女児の髄液に、ウイルスを利用した候補薬を投与した。女児は重篤な免疫反応を起こし、7日後に死亡した。
倫理的な複数の問題点
事前に行ったサルを使った安全性試験では問題点が指摘されていたが、女児への投与を承認した院内の倫理委員会には伝えられておらず、両親にもリスクが十分に説明されていなかったという。研究チームは女児の死亡を伏せて論文を発表するなど、研究倫理に関する複数の問題点が指摘されている。



