神戸大学バイオシグナル総合研究センターの乾秀之准教授らの研究グループは、河川から採取した細菌の中に、有機フッ素化合物(PFAS)を除去できる種類があることを発見した。自然界でほとんど分解されず「永遠の化学物質」とも呼ばれるPFASに対し、低コストな微生物浄化技術の開発を目指す。
PFASとは
PFASは炭素とフッ素からなる人工化学物質の総称で、1万種類以上あるとされる。代表的なPFOSとPFOAは水や油をはじき、熱に強い特性から、衣類の防水加工やフライパンなどに広く使われてきた。しかし近年、発がん性など健康への影響が指摘され、廃棄後も環境中に長く残留する。日本では今年4月、PFOSとPFOAについて水道法上の水質基準が設けられ、水道事業者に水質検査などの対応が義務づけられた。
既存の除去技術と課題
PFASの除去には活性炭による吸着が実用化されているが、コストが高いことが課題となっている。
研究グループのアプローチ
研究グループは、微生物の働きを利用した汚染物質除去技術をPFASに応用することを検討。汚染された環境で生息する細菌に着目し、河川から泥を採取して調査した。その結果、7種の細菌がPFASと混ざることで分解する性質を示したという。
グループは「細菌を使った低コストな浄化技術の実現につなげたい」とコメントしている。



