NHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」新キャスト発表 中村雅俊が儒学者安積艮斎役に
NHKは、2027年に放送を予定している大河ドラマ「逆賊の幕臣」の新たな出演者を発表した。現在の郡山市出身で、江戸時代末期の儒学者である安積艮斎(ごんさい)役を、俳優の中村雅俊さんが演じることが明らかになった。艮斎は、松坂桃李さんが演じる主人公の小栗上野介忠順(こうずけのすけただまさ)の師として物語に登場する重要な人物だ。
中村雅俊の意気込みと役への想い
中村さんは24日、東京都内で開催された記者会見に出席し、役への抱負を語った。「歴史的に何をしたかではなく、人として魅力がある人物を演じたい」と意気込みを表明。艮斎について「オファーを受けて初めて知った人物で、これまで取り上げられる機会が少なく、世間一般のイメージが固まっていないため、自分の色を付けていいんじゃないかと思っています」と笑顔で述べた。
さらに、主人公の師としての役割について「混沌とした幕末の時代を進むための道しるべのような人物になれたらと思います」と期待を込めた。また、本県との関わりでは「柏屋の薄皮饅頭が大好物」とユーモアを交え、場を和ませた。
新キャスト陣の追加発表
新たな出演者として、以下のキャストが決定した。
- 小栗の父・忠高役:北村有起哉さん
- 母・くに役:鈴木京香さん
- 妻・みち役:上白石萌音さん
- 井伊直弼(なおすけ)役:岡部たかしさん
ドラマは、日本初の遣米使節団の中核を担った小栗上野介が、幕府の要職として侵略の危機から国を守り、格差などに苦しむ社会を安定させようと奔走する姿を描く歴史大作となる。
生涯の師弟関係と歴史的背景
小栗上野介は8歳の頃から安積艮斎の下で学び、生涯にわたる師弟関係を築いた。艮斎について長年研究する安積国造神社宮司の安藤智重さん(58)によると、艮斎は国防のため造船の必要性を示し、それが小栗による横須賀造船所の建設につながったという。
安藤さんは「少年時代の小栗には強烈な印象があったはずで、艮斎に盆暮れのあいさつを届けるなど、生涯を通じた深い絆があった」と説明。中村雅俊さんについて「艮斎は天真らんまんで格好を付けない人。東北人でもある中村さんはイメージ通りだ」と評価した。
また、中村さんが過去の大河ドラマ「花神」で高杉晋作役を演じたことに触れ「高杉も艮斎の門人の一人。師弟を演じられることも喜ばしい」と話した。安藤さんは現在、艮斎と小栗に関する著書を執筆中で、同神社にある安積艮斎記念館では6月から企画展を開催予定だ。「艮斎は歴史的に評価されるべき人だが、あまり知られていない。公平な歴史観で描くドラマが楽しみだ」と期待を寄せた。
安積艮斎の生涯と功績
安積艮斎は1791年、安積国造神社宮司の三男として現在の郡山市で出生。学問を志し17歳で江戸へ出て、儒学者として私塾を開いた。昌平坂学問所や江戸藩邸の各藩校、二本松藩校で若者たちを教育し、門人は小栗上野介、吉田松陰、岩崎弥太郎、前島密など約3000人に及ぶ。
1853年のペリー来航時には米国国書の翻訳やロシア国書の返書起草に携わり、「艮斎文略」「艮斎間話」などの書を著した。1860年に死去し、その功績は幕末の歴史に大きな影響を与えた。



