宮崎・三股町の「よる学校」が地域共生を実現 不登校児も笑顔に変える挑戦
三股町「よる学校」が地域共生実現 不登校児も笑顔に

宮崎・三股町の「よる学校」が地域共生の新たなモデルに

宮崎県南西部に位置する人口約2万5千人の三股町。この町で、「自分たちのまちを自分たちで楽しく」をコンセプトに始まった地域共生社会への挑戦が、開始から5年を経て新たな展開を見せている。町社会福祉協議会内の実践支援研究室「コミュニティデザインラボ」と、こども未来応援団体「タテヨコナナメ」が主催する「よる学校」は、子どもから大人までが集う交流の場として定着し、地域の絆を深めている。

不登校の中学生が笑顔を取り戻す場に

1月のある夜、三股町中心部の学童ホールには約50人の子どもや大人が集まった。運動場では小中学生らがドッジボールに歓声を上げ、屋内ではカードゲームを楽しむ姿が見られた。この「よる学校」に通う42歳の女性の中学生の次男は、かつて不登校だったが、2024年秋から参加するようになり、友人もでき、中学に登校できる日が増えたという。女性は「次男が明るくなりました」と笑顔で語り、この場が子どもの成長に与える影響の大きさを実感している。

誰もが先生にも生徒にもなれる仕組み

よる学校は、「誰もがごきげんに暮らせる地域をつくりたい」という思いから始まった。特徴は、参加者が自由に「やってみたい」ことを教室にできる点だ。例えば、「DJ教室」や自衛官とかくれんぼする「自衛隊を探せ‼」など、多様な活動が企画され、誰もが先生になれ、別の日には生徒として学べる。2025年にはのべ6千人以上が参加し、地域の交流拠点として確固たる地位を築いている。

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さらに、昼間の行き場を求める声に応えてフリースクール「ひる学校」が、夕方以降の過ごし場として「ゆう学校」が設立されるなど、活動は拡大を続けている。これにより、一日を通して子どもや大人が安心して集える環境が整えられた。

従来の福祉の枠を超えたアプローチ

コミュニティデザインラボの活動が始まる前、町社会福祉協議会は「支援したい人に支援が届かない」という課題に直面していた。「困りごとがあれば来て」という従来の姿勢では、既存の制度が当てはまらない人や、自分が福祉の対象と気付かない人が取り残されていた。

そこで同ラボは、明確な目標を設定。5年後の2025年までに200の活動を展開し、人口の1割を目安に2025人の「プレーヤー」を創出することを掲げた。この目標は、単なる数値ではなく、地域住民一人ひとりが主体となって参加する共生社会の実現を目指すものだ。

活動の核となっているのは「三つの場」の構想である。夜の交流の場である「よる学校」、昼間の学びの場である「ひる学校」、そして夕方の憩いの場である「ゆう学校」が連携し、多様なニーズに対応するネットワークを形成している。

脚本家の梶原阿貴氏はこの取り組みについて、「いつか自分がやってみたいと思っていたことが、既に5年前から実行されていて結果を出されていることに驚きました。これは素晴らしい取り組みですね」とコメント。地域住民自らが主体となり、困りごとを抱える人々にも自然に寄り添う仕組みが、従来の福祉の限界を超える可能性を示している。

三股町の挑戦は、人口減少や地域コミュニティの希薄化が進む現代社会において、新たな共生のモデルとして注目を集めている。今後も活動の拡大が期待され、全国の地域づくりに影響を与えることが予想される。

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