国の特別天然記念物のトキや世界文化遺産に登録された金山に注目が集まる佐渡島。だが、雄大な大佐渡山地の山々や棚田の景観、景勝地の万畳敷など、大自然の魅力あふれるスポットも多い。観光シーズン真っ盛りの夏の佐渡を巡り、その魅力を写真とともに紹介する。
金剛山の山頂に鳥居と祠、約3時間の登山
好天に恵まれた7月下旬、佐渡の玄関口・両津地区にある白瀬登山道から金剛山(標高962メートル)の頂を目指した。草木をかき分け険しい山道を進んでいくと、「トビガ沢」を流れる澄んだ水やクルマユリの鮮やかなオレンジ、ツリガネニンジンの淡い青紫色など、色彩豊かな自然が疲れを癒やしてくれる。約3時間かけて到達した頂上からは、島北部の大佐渡山地の尾根や国中平野が眼前に広がった。
山頂には、鳥居とともに祠(ほこら)がそびえ立つ。麓の白瀬集落に本堂があり、長年にわたって地元住民に大切に保存・管理されてきたという。気持ちのよい涼しい風を浴びながら参拝し、山頂を後にした。
ドンデン高原の花々と佐渡の山の魅力
大佐渡山地には、標高900~1100メートルほどの山々が連なり、登山愛好家からは縦走路として親しまれている。佐渡トレッキング協議会によると、4~10月には島の固有種や春先のカタクリなど美しい花々を楽しむことができ、同協議会の市橋弘之事務局長は「麓から山頂近くまで様々な草花が咲き誇り、花を見られる期間が長いのも佐渡の山々の魅力だ」と語る。
大佐渡山地のほぼ中央部に位置する「ドンデン高原」は、尻立山の周辺に広がる標高800~900メートルの地帯だ。約2万年前の氷河時代に、岩石の隙間に入った水が凍ったり解けたりを繰り返したことで岩石が砕け、起伏の少ない高原となった。かつては牛や馬が放牧され、シバ草原が広がっていた。
高原には「佐渡のエーデルワイス」とも呼ばれるヤマホオコ(ヤマハハコ)が咲く。大佐渡山地ではここでのみ咲くといい、8月下旬~9月上旬の見頃の時期には、白色の花が群をなす。
初開催のトレイル大会と登山客の増加
大佐渡山地では今年10月、トレイルランニングの大会「SADO ISLAND GOLD TRAIL」が初開催される。約50キロの「ロング」は、白瀬登山道から山に入り、尾根をわたって島の最高峰・金北山(1172メートル)の周辺を通り、国中平野につながる上横山登山道へと抜けていくコースで、稜線(りょうせん)から日本海を見渡す景色も絶景だ。
佐渡にはクマやイノシシなど人に危害を加える大型動物がいないことも魅力の一つで、近年は佐渡の山々への登山客も増えている。



