スモーキングルーム第172回:地下の隠し通路と修道院の秘密が明らかに
スモーキングルーム第172回:地下通路と修道院の秘密 (15.03.2026)

スモーキングルーム第172回:地下の隠し通路と修道院の秘密

千早茜による連載小説「スモーキングルーム」の第172回が公開された。今回のエピソードでは、金ボタンがホテルの地下に広がる隠し通路を探索し、修道院との繋がりや過去の出来事の真相に迫る様子が描かれている。

深夜の探索と隠された通路

金ボタンは、鳥の巣の妹と昨夜何を話したのかを訊こうとしたが、やめた。深夜の見回りを終えた煙はすでに記帳を始めており、その後は隣の遺失物の部屋で過ごすつもりだった。煙は遺失物の部屋に一人で籠もることを好み、金ボタンと総支配人が各階の隠し部屋に食事を運んでいる時に話した可能性がある。鳥の巣の妹は壁越しに人の気配があると眠れないため、彼女だけが夜は地下に隠れていたという。

「わかった」と金ボタンは立ち上がった。以前は針金と煙が住んでいた総支配人の部屋は、今は煙だけが使用しており、戸棚の中の板を外すと地下の隠し通路へと繋がっていた。小さい頃からこの部屋で読み書きの勉強をしていた金ボタンですら、この通路の存在を知らなかった。

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地下の広がりと修道院の繋がり

地下の隠し通路の先には、寝泊まりできる部屋や貯蔵庫もあった。さらに深い地下道へと降りていく扉もあり、その道は森を抜けた山腹にある修道院に繋がっていた。これは金ボタンと煙が少年だった頃、遠出をした際に見かけた古い修道院で、金ボタンはようやくあの時の煙が言っていたことが本当だったと知った。

オーナーはその修道院に多額の寄付をしており、司祭や修道士たちは匿ったJを国外へと逃すのに協力してくれた。森のホテルに匿われたJたちは国外の協力者と連絡を取り、総支配人が工面した身分証を持って国境を越えたのである。

礼拝堂と鳥の巣の妹の日課

地下には狭いながらも礼拝堂があり、鳥の巣の妹は毎晩そこで祈るのが日課のようだった。黴臭く暗い通路を金ボタンは身を屈めながら進んだ。屋敷ができる前からあった古い坑道らしいと煙は言っており、礼拝堂は鉱夫たちが作ったものだという。

土壁のあちこちに窪みがあり、短くなった蠟燭に火が点っている。火は暖かそうな色で揺れているが、地下はひんやりと湿っていた。甘いコーヒーと芳ばしいアーモンド菓子でも持ってくれば良かったと金ボタンは後悔した。ホテルの客ではないせいか、彼女に対してはどうも気がまわらないと感じている。

このエピソードは、ホテルの地下に潜む歴史と秘密を浮き彫りにし、物語の深みを増している。読者は、金ボタンの探索を通じて、過去の出来事や登場人物たちの繋がりをより理解できるようになるだろう。

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