スモーキングルーム第170回:老夫婦が隠した若い女性、金ボタンの緊急避難計画
スモーキングルーム第170回:隠された女性と金ボタンの脱出作戦 (13.03.2026)

老夫婦の寝室に隠された若い女性の正体

「うちには娘なんて……」と老人が遮るように言い放ったその瞬間、金ボタンは鳥の巣の名前をささやいた。老夫婦は顔を見合わせ、おずおずと総支配人を見つめた。総支配人は大きくうなずき、手を差し出して二人と握手を交わした。老夫婦は目を見交わすと、深く息を吐いた。老人がうなずき、老女が「こちらに」と奥の寝室へすべるような足取りで案内する。

寝室からの意外な登場

カーテンを引き、部屋の中央でかかとを三回鳴らすと、寝台の下から若い女性がはい出てきた。金ボタンは、あまり賢い隠れ場所ではないな、と内心で思った。老女が説明する。「若い娘の声がしたら隣に疑われてしまうし、会話も筆談でね。窮屈な思いをさせてしまって」と。老人がつぶやいた。「彼女の一家には世話になったんだ。ご夫婦は連れていかれてしまったが……そうか、お兄さんは無事なのか……」金ボタンは驚いた。この女性は鳥の巣の妹だったのか。

総支配人の敬意とホテル暮らしの提案

「お二人の勇気に敬意を表します」と総支配人は言い、立ち上がろうとする若い女性に手をかした。「貴女にはしばらくホテル暮らしをしていただきますよ」と告げた。金ボタンは革の旅行用鞄を開け、靴や着替えを取り出すと、中は空になった。

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金ボタンの緊急計画と服の交換

「これに必要なものを詰めて。俺は着替えるから、できたら後ろを向いてやってもらえると助かる。あんたは俺が脱いだ服を着て、彼と一緒にここを出るんだ」と金ボタンは指示した。ワンピースの裾を払っていた若い女性が顔をあげた。黒に近い褐色の眼がまっすぐに金ボタンを見つめる。意志の強そうな眉に、品のある唇、輝く鉱脈のような深い瞳。飾りけのない質素な身なりなのに、目をひく美しさだった。

女性は束ねた栗毛色の髪を揺らして「わかった」というようにうなずくと、胸元のボタンを素早く外してワンピースを脱いだ。金ボタンは慌てて後ろを向く。理解は早いがせっかち過ぎる、と焦りながらもどかしく服を脱ぎ、顔を背けたまま女性に手渡した。女性はちゅうちょなく身につけていく。最後に、金ボタンの鹿撃ち帽を被り、髪を中にしまうと、女性は下着姿の金ボタンの顔をのぞき込んだ。

知的そうな深い瞳が「あなたはどうするの?」と語っていた。この瞬間、二人の運命は新たな局面を迎えようとしていた。金ボタンは緊迫した状況の中で、次の一手を考え始める。老夫婦の勇気と、隠された女性の存在が、物語にさらなる緊張感をもたらしている。

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