7月28日に発生した熊本地震で、携帯電話網は発生から約2日で復旧した。携帯大手4社が地域を分担して復旧作業を集中的に実施し、通信設備の共有化などの協力関係が実を結んだ。
発災直後の障害と復旧作業
NTTドコモとKDDIでは発災直後に通信障害が発生。停電による予備電源の電力不足で、翌日にはソフトバンクと楽天でも通信がしづらい状況となった。合計150超の基地局が被害を受けたが、迂回ルートの確保などで影響を最小限にとどめた。
JAPANローミングの効果
早期復旧に大きな役割を果たしたのが、災害時に他社の利用可能な回線に接続できる「JAPANローミング」だ。ソフトバンクの宮川潤一社長は「通信事業者間でネットワークを相互に補完する体制が機能した。協議の積み重ねが実際の災害対応に生かされた」と振り返った。NTTの島田明社長は「広域な支援体制も非常に順調に進んだ」と総括し、次の災害に備える考えを示した。
衛星通信サービスの実用化
10年前の熊本地震と大きく異なるのは、衛星通信サービスの実用化だ。KDDIとNTTドコモ、ソフトバンクの3社は米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」を導入。空が見えていれば、圏外でもショートメッセージサービス(SMS)を送受信できる。NTTドコモによると、発災後の1週間は前週比で3倍の利用があった。
楽天グループは米宇宙ベンチャーと組み、独自の衛星通信サービスの商用化を目指している。実証実験ではビデオ通話にも成功している。



