毎日新聞社は、ニュースサイトに掲載した熊本地震の被災者の写真を生成AI(人工知能)で加工されたとみられる偽画像が、SNSで拡散されたと明らかにした。同社が掲載したのは倒壊した自宅の前で男性が厳しい表情を浮かべる写真だったが、偽画像は男性が笑顔でピースサインをしていた。
偽画像の拡散と中傷コメント
同社によると、該当の画像は7月29日に「毎日新聞デジタル」に掲載。その後、偽画像がSNSで拡散し、男性を中傷するコメントも寄せられた。同社社長室広報ユニットは「極めて遺憾で法的措置も視野に対応を検討する」としている。
被災男性の訴えと専門家の見解
偽画像を投稿された被災者の70歳代男性は読売新聞の取材に対し、「被災の実情が否定された気持ちになった」と憤る。男性は8月初旬、熊本県警に被害届を提出したという。
明治大の今村哲也教授(知的財産法)の話「著作権や肖像権を侵害するだけでなく、刑事、民事の両面で名誉毀損にあたる可能性があり、開示請求によって投稿者が特定されれば賠償リスクを負う。災害時には虚偽情報がSNS上で飛び交うため、利用者は情報源を確認するなど、通常よりも注意深い真偽の見極めが必要だ」



