2026年10月の酒税改正を機に、サントリーの「金麦」が従来の新ジャンル製法からビール製法へ変更される。これに合わせ、同社の「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」では10月限定で「『金麦は、ビールへ。』おいしさ体感ツアー」を開催する。
ツアーでは、金麦ブランドの歩みやビール化の背景、製造工程を紹介。試飲パートでは「金麦」「金麦<糖質75%オフ>」「金麦<豊潤>」の飲み比べも楽しめる。開催に先立ち、メディア向けプレスツアーが行われた。
90分で「見る・聞く・飲む」を体験
ツアーは所要時間約90分の3部構成。第1部ではビールや発泡酒、新ジャンルの違いや2026年10月の酒税改正について学びながら、金麦がなぜビールになるのかを解説。第2部では工場内に入り、金麦の製造工程を見学する。第3部では試飲しながら、実際に商品開発に携わる醸造家による解説を聞く。
マーケティング本部 ビール・RTD部 課長の斎藤圭世氏は「今回のツアーでは、制度や商品情報を説明するだけではなく、『工場を見る』『醸造家の話を聞く』『実際に飲む』といった体験を組み合わせています。商品がビールに変わるという事実だけではなく、『なぜビールにするのか』『どのような考えでつくっているのか』『実際にどのような味なのか』まで、一連の体験として理解してもらうことが狙いです」と説明する。
天然水仕込と人の五感が支える品質
一般的なビールの主な原料は水、麦芽、ホップで、約9割を水が占める。サントリーでは良質な天然水を使った「天然水仕込」を採用しており、国内4カ所のビール工場も良質な天然水を採水できる場所に建設された。工場ツアーでは、山に降った雨が土壌や地層を通り、長い時間をかけて天然水になっていく過程を模型で紹介している。
仕込工程では、天然水と砕いた麦芽を混ぜ合わせ、麦の殻を取り除いた後、ホップを加えて香りや苦味をつける。麦汁に酵母を加えると、酵母が糖分を取り込み、アルコールや炭酸ガス、香り成分を生み出す。約1週間の発酵を経て「若ビール」となる。
酵母は生き物であるため、つくり手が24時間体制で状態を確認。香りやタンク内部の状態を確かめながら、温度や圧力を調整している。発酵後の「貯酒」と呼ばれる熟成工程でも、つくり手が実際に香りや味わいを確かめる「官能検査」を行い、熟成の状態を見極める。設備による管理だけでなく、人の五感もビールの品質を支えている。
麦芽比率50%以上への挑戦
金麦は2007年6月、新ジャンル商品として発売された。以来、約20年にわたって「麦の旨み」と「澄んだ後味」の両立を追求してきた。今回、酒税の一本化を契機に、開発チームは「ビールの製法でもっと金麦をおいしくできるのではないか」と考え、ビール化に挑戦した。
ビールとしてつくるためには麦芽比率を50%以上にする必要がある。麦芽を増やせば麦由来の旨みを強くできる一方、甘みや旨み、雑味などが後味に残りやすくなる。この課題を解決するため、開発チームは原料と製法を一から見直し、「うまみ麦芽」と「国産麦芽」を組み合わせた「贅沢麦芽」を採用。さらに、アロマホップとビターホップを組み合わせ、原料の配合を0.1%単位で設計したという。
製法では、仕込釜で麦芽を煮出し、旨みとコクを引き出す「デコクション製法」と、仕込時に3段階の温度帯を使い、じっくりと麦の旨みを引き出す「うまみ三段製法」を採用。麦芽の旨みを引き出しつつ、後味に影響する成分の抽出や分解を細かく制御することで、麦芽比率を高めても金麦らしい澄んだ後味を実現した。
ツアーは10月3日(土)、4日(日)、10日(土)、11日(日)、12日(月・祝)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)、31日(土)に開催され、各日2回(9時55分~、14時5分~)実施。参加費は1000円(税込)。