北九州市の新門司港と大阪・神戸を結ぶ「阪九フェリー」は、新門司港の旅客ターミナルを建て替える方針を固めた。来年着工し、2028年秋の供用開始を予定している。ホテル価格の高騰で、夕方出発・翌朝到着のフェリーの割安感が高まり利用が伸びており、築35年と老朽化した施設を刷新して新規客の獲得を狙う。
ターミナル統合と新施設の概要
阪九フェリーは、新門司―泉大津(大阪)、神戸の2航路を運航している。現在は「第1」「第2」の二つのターミナルがあり、それぞれに窓口や待合室を設置しているが、建て替えではこれを一つの建屋に統合する。
新ターミナルは3階建てで、1階にチケット窓口、2階に本社機能、3階に待合室を配置。待合室にはカフェスペースを新設するほか、女性トイレを増設し、パウダールームも設置する。さらに、授乳やおむつ替えに使えるベビールームも整備し、家族客らの利便性を高める。
利用者数の伸びと今後の見通し
阪九フェリーの旅客利用者数は伸びている。昨年は大阪・関西万博の需要などで好調だったほか、今年1~7月も前年同期を約10%上回っている。
関西圏で宿泊価格が高騰する中、ベッドを備えた個室でもインターネット予約割引を利用すれば大人1人1万円程度からという運賃に割安感が出ている。年齢別では20歳未満が約2割を占め、旅行などでの家族利用が好調とみられる。
嶋津祐一社長は「価格や利便性でフェリー航路が全国的に見直されてきている。新ターミナル建設で、さらに新規客の獲得につなげていきたい」と話している。



