ドコモ前田社長、通信品質問題で「道半ば」と現状認める
ドコモ前田社長、通信品質問題で「道半ば」と現状認める

NTTドコモは8月6日に開催した2026年度第1四半期決算説明会で、前田社長がSNS上で指摘され続けている通信品質問題について、現在の課題認識と今後の具体的なインフラ改善対策の進捗状況を公表した。

かつて「つながりやすさ」で高い信頼を得ていたドコモ(ahamoブランドを含む)の回線だが、2023年夏以降、都内をはじめとする主要都市部でのトラフィック急増に伴う品質低下が大きな課題となっている。

前田社長が語る品質改善への姿勢と「道半ば」の認識

ドコモは8月1日からahamoで月額2970円を維持したままデータ容量を40GBに引き上げるキャンペーンを開始したが、SNS上では以下のように「つながりやすさ」そのものの改善を求める声が目立つ。

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  • 「どれだけ容量を増やされても、回線がつながらなければ意味があります。通信速度が遅いためデータを消費することすら難しいです」
  • 「ドコモはまだつながりにくいです」
  • 「アンテナ表示は良好なのにWebページの読み込みがストップします」
  • 「通勤電車や地下鉄駅、テーマパークなどの混雑エリアで、他社回線に比べて接続しにくくなります。生活に密着したシーンでのストレスがあります」

前田社長は「まだまだ通信品質は改善してきているものの、依然として道半ばだと思っている」と率直な現状認識を述べ、特に人口が密集するエリアでの容量確保が最優先課題であるとの考えを示した。

さらに、ドコモ側がユーザーのリアルな不満をどう捉えているかについて、前田社長は「ユーザーから特定のエリアで使いにくいという指摘があることは、SNS上の書き込みも含めて日々さまざまな形でトラッキングしている」と言及。その上で、「品質改善については、特定された課題のある地点に対し、いかにスピーディーに対策を施していけるか――もうそれに尽きると考えている。これからもこうした地道な取り組みを進めていきつつ、どういう進捗状況になっているかをユーザーへしっかりと開示し、お知らせできるように進めていきたい」と述べ、情報開示と迅速な個別エリアチューニングに全力を尽くす姿勢を示した。

基地局の急速な増設によるインフラ基盤の拡大

では、その品質改善は「今何合目まで来ているか」――そんな質問も出た。前田社長は、苦笑しながらも期待感をにじませた。

「何合目かと言われれば、基地局増設だけでなく細かな最適化(チューニング)も含めて他社との差を詰める段階であり、まだ道半ばだ。SNSなどでユーザーの使いにくい箇所をトラッキングしながら、いかにスピーディーに対策を施せるかに尽きる」

また、基地局整備について部材不足の影響から、全国レベルでのスケジュールに遅れが生じていることも明らかになった。

「今年度は1万局規模の5G基地局増設を計画しているが、部材不足もあり、全国計画としては遅れ気味だ。ただ、東京23区を含む人口集中地域には最優先で部材を回しており、そちらは計画を上回るペースで進めている」

全国での建設ペース自体は影響を受けているものの、ユーザー不満が集中する都心混雑エリアに経営資源を優先投入し、体感品質の底上げを急いでいる状況だ。

地下鉄駅の5G基地局整備も進行

ドコモはエリア拡張に向け基地局整備を進めている。2026年度第1四半期は前年度下期のペースを継続し、前年度上期全体に相当する約2500局(5G:1500局、LTE:1000局)を3カ月で設置した。これにより5G累計基地局数は6万800局、LTE合算の累計基地局数は32万1900局に達し、インフラ基盤を拡大している。

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地下鉄駅における5G基地局整備も進行中だ。2026年7月31日時点で全国303駅、東京都内では206駅(70%超)に5G導入を完了した。

さらに複雑エリアの対策として、消費電力50%削減と収容設備容量4倍を両立するエリクソン製最新装置「RAN Processor 6672」を導入。加えて、3.5GHz、3.7GHz、4.5GHzの3つの周波数帯をまとめて設備容量を約3倍にする280MHz幅Tri-Band Massive MIMOの運用も開始し、混雑時の接続性を強化している。

今後の進捗に期待

SNS上に日々投稿されるユーザーの本音をスピーディーな現地対策へと転換しつつ、こうしたインフラ構造や最新装置の導入による根本的なインフラ強化をやり遂げたとき、ドコモがかつての「つながりやすい安心の通信キャリア」へと完全に戻り咲くことができるのか、今後の進捗に期待したいところだ。