消えゆくディーゼル超特急HST、半世紀の歴史に幕 日立製新型車両へ世代交代
消えゆくディーゼル超特急HST、半世紀の歴史に幕

イギリスで長年親しまれてきた高速列車「HST」(High Speed Train)が、日立製作所製の新型車両への置き換えにより、その歴史に終止符を打とうとしている。最高時速200kmで半世紀にわたり都市間輸送を支えたこの車両は、ディーゼル機関車による動力集中方式を採用し、イギリス鉄道の近代化に大きく貢献した。

HSTの特徴:両端に機関車を配置した動力集中方式

HSTの最大の特徴は、編成の両端にディーゼル機関車を配置し、客車を挟み込む「動力集中方式」にある。このスタイルはフランスのTGVでも採用されている。高速走行に必要な出力を確保するため、1両の機関車に搭載されたエンジンは1680kW(約2250馬力)を発揮し、2両で合計3360kW(約4500馬力)を実現。これにより、時速200kmの安定走行が可能となった。

効率性と快適性を両立

この方式は、機回し作業の不要化や線路負担の軽減など、運行効率と保守面でのメリットをもたらした。また、客車にエンジンがないため、騒音や振動が少なく、快適な乗り心地を提供した。東海岸本線では、HSTの導入によりロンドン〜ヨーク間で約20分、ニューカッスル間で約40分、エディンバラ間では約1時間の所要時間短縮を達成。乗客数も飛躍的に増加した。

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国鉄民営化後も活躍、しかし引退へ

HSTはイギリス国鉄時代に「救世主」と呼ばれ、民営化後も各地で活躍を続けた。しかし、老朽化と環境規制の強化により、日立製の新型電車「800系」(AT300)などへの置き換えが進められている。現在、東海岸本線やグレートウェスタン本線などで運行されていたHSTは、徐々に姿を消しつつある。

一部の車両は保存や動態保存が検討されているが、現役車両は減少の一途をたどっている。半世紀にわたりイギリスの鉄道を支えたHSTの引退は、鉄道ファンのみならず、多くの人々に惜しまれている。

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