大谷翔平の第2子報告に「年子バッシング」発生の背景 羽生結弦やW杯選手に見る神格化の危うさ
大谷翔平の第2子報告に年子バッシング 神格化の危うさ

大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)が第2子の誕生を報告した直後、SNS上で「年子バッシング」と呼ばれる批判が噴出した。ネットメディア研究家で炎上ウォッチャーの城戸譲氏は、この現象を「トップアスリートの神格化が生んだ反動」と分析する。

国民的話題の消失と大谷翔平の異質な存在感

城戸氏は、SNSやスマートフォンの普及により、誰もが共通して話せる「国民的話題」がほぼ姿を消したと指摘する。「年末のNHK紅白歌合戦を見ても、メンバーの顔と名前が一致しないどころか、グループ名すら初めて聞くというケースが珍しくない。そうした時代にあって、大谷選手は異質な存在だ」と述べる。

数少ない例外として、開催中のサッカーW杯も挙げられる。決勝トーナメント1回戦でブラジルに惜敗した日本代表の戦いには、普段サッカーを追わない層までもが一喜一憂した。「裏を返せば、世代や趣味を超えて共有できる話題は、4年に一度のW杯と大谷選手のような存在くらいしか残っていない。だからこそ、大谷選手をめぐるニュースは過剰に増幅される」と城戸氏は解説する。

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「あくまで人間だった」と露呈した瞬間の落差──羽生結弦の場合

今回の出来事は、大谷選手が異次元に見える存在でも「あくまで人間だ」と感じさせるものだった。親近感を覚えた人もいれば、生々しさを感じた人もいるだろう。城戸氏は「人間味が透けることは、必ずしもスターにとって利点とは限らない」と警告する。

雲の上感が増すほど、結婚や出産といった人間らしい出来事によるショックは大きい。城戸氏は、同じアスリートであるフィギュアスケートの羽生結弦さんの結婚と離婚を想起させる。羽生さんは2023年8月に結婚を発表したが、わずか3カ月で離婚を報告。メディアの取材攻勢や誹謗中傷、ストーカー行為が理由とされ、離婚報告文書で「私が未熟であるがゆえに、現状のままお相手と私自身を守り続けることは極めて難しく、耐え難いものでした」と吐露していた。

国民がトップアスリートに抱く幻想とバッシングの構造

城戸氏は、大谷選手への「年子バッシング」も、羽生選手への過剰な関心と同根だと指摘する。「トップアスリートは完璧であるべきという幻想を、多くの人が抱いている。その幻想が破られたとき、失望がバッシングに転化する」と述べる。

実際、大谷選手の第2子報告に対しては「年子は計画的じゃない」「子供を産むタイミングが悪い」といった批判が相次いだ。城戸氏は「こうした批判は、大谷選手を人間としてではなく、神格化された存在として見ているからこそ生まれる。W杯の選手や羽生選手にも同様の構図が見られる」と分析する。

SNSの普及により、個人の意見が増幅されやすくなった現代では、スターへのバッシングも加速しやすい。城戸氏は「大谷選手のような存在は、国民的関心を一身に集めるがゆえに、些細な行動も拡大解釈されやすい。ファンもメディアも、もう少し距離感を保つ必要がある」と提言している。

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