小学生の頃からチック症の症状が出始めたほりおさんが、Instagramで歌唱動画を公開し、桑田佳祐の「白い恋人達」が3万回再生を超える反響を呼んでいる。学生時代はいじめが原因で不登校になり、ストレスから135キロまで太ったが、72キロの大減量に成功した。
「普通の人」を演じるのをやめた
チック症は、自分の意思とは無関係にまばたきや首振りなど体の動きや、咳払いなどの発声を繰り返す神経発達症。幼少期に発症しやすい。ほりおさんは「小学生の頃から症状が出始め、現在は咳払いや声が出てしまう音声チックやまばたきなどがある」と話す。
人前では声のチックを我慢することが多いといい、「1人になった時や人通りの少ない場所に行った時に、その反動で症状が出ることがある」と明かす。人前で症状が出ていないからといって治ったわけではなく、「必死に抑え込んでいるだけ。チック症の実態をもっと多くの方に知ってもらえたら嬉しい」と語る。
Instagramで公表したきっかけは、「『人生は一度きりだから、やりたいことをやろう』と心から思ったこと。自分の症状を公表することで、世の中の人がチック症を知るきっかけになればと考えた」という。
仲間との出会いで「自分は1人じゃない」
これまで「変に思われたくない」という気持ちが強く、周囲に理解されないまま悩みを抱え込むことが多かったという。「恋愛をはじめ、人と関わることに対して臆病になり、つい自分から距離をとっていた」と振り返る。
SNSでの発信や当事者会への参加を通じて、同じチック症を持つ仲間に出会い、「初めて本音で悩みを話せる仲間ができ、一番の救いになった」と話す。「『自分は1人じゃない』と思えるようになり、心の中にあった重荷がすっと軽くなった。今はこの経験を活かして、自分も誰かの力になりたい」と語る。
135キロから72キロの大減量については、「チック症が直接の原因だったとは言い切れない。ただ、もともとの太りやすい体質に加えて、さまざまな要因が重なった中で、少なからずチック症のストレスや生きづらさも影響していたと思っている」と説明。「今悩んでいる人たちには、『1人で抱え込まなくていいんだよ』ということを伝えていきたい」と話す。
「Sunny Palette」で居場所づくりを目指す
今後は「障害や病気で悩んでいる方が安心して集まれる居場所『Sunny Palette』を作っていきたい。1人でも多くの人が前を向けるような、優しいつながりのきっかけを作ることが目標」と語る。
過去には「どうせ自分なんて変われない」と諦めていたというが、「ダイエットやチック症の公表も、勇気を出して一歩踏み出したことで、少しずつ人生が変わっていった」と振り返る。「同じように悩んでいる人は、今の苦しい状況だけで、自分の未来を決めつけないでほしい。周りを頼ることは決して悪いことではありません。もし私の発信を見て『少し気持ちが楽になった』『もう少し頑張ってみよう』と思ってもらえたら、それだけで本当に嬉しい。これからも、自分らしく発信を続けていきます」と話している。



