トヨタ自動車、全固体電池の量産開始時期を2027年から2030年に延期
トヨタ、全固体電池量産開始を2030年に延期

トヨタ自動車は、次世代バッテリーとして期待される全固体電池の量産開始時期を、当初目標の2027年から2030年以降に延期する方針を固めたことが、複数の関係者の話で明らかになった。同社は2021年に、全固体電池を搭載した電気自動車(EV)を2027年までに投入する計画を発表していたが、技術的な課題の克服に予想以上の時間がかかっている。

全固体電池の技術的課題

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池と異なり、電解質を固体材料に置き換えることで、エネルギー密度の向上や安全性の改善が期待されている。しかし、固体電解質と電極の界面抵抗を低減し、長期の充放電サイクルに耐える安定性を確保することが難しく、量産化には高いハードルがある。トヨタはこれまで、材料開発や製造プロセスの改良に取り組んできたが、実用化にはさらなる研究開発が必要と判断した。

業界全体の動向

全固体電池の実用化を目指すのはトヨタだけではない。日産自動車は2028年までの量産開始を目標に掲げ、ホンダも2020年代後半の実用化を目指している。また、韓国のサムスンSDIやLGエナジーソリューション、中国のCATL(寧徳時代新能源科技)なども開発を加速している。しかし、各社とも量産に向けた技術的な壁に直面しており、実用化の時期は不透明な状況が続いている。

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トヨタのEV戦略への影響

トヨタは、全固体電池をEVの競争力向上の切り札と位置づけていた。同社は2023年6月に、全固体電池を搭載したEVを2027年に投入する計画を発表し、充電時間を10分以内に短縮できるとアピールしていた。今回の延期により、EV市場での競争力強化に遅れが生じる可能性がある。トヨタは、2026年までにEVの世界販売台数を150万台とする目標を掲げているが、全固体電池の量産遅れはこの目標達成にも影響を与えかねない。

関係者のコメント

トヨタの広報担当者は、「全固体電池の量産化に向けて開発を進めているが、具体的な時期については現時点でお答えできない。技術的な課題を着実に克服し、早期の実用化を目指す」とコメントした。一方、業界アナリストからは、「全固体電池の量産は技術的に非常に難しく、トヨタの延期は予想の範囲内。他のメーカーも同様の課題に直面している」との声が聞かれる。

今後の見通し

トヨタは、全固体電池の開発を継続する一方で、現行のリチウムイオン電池の改良にも注力する方針。同社は、2026年に次世代のリチウムイオン電池を投入する計画も進めており、全固体電池の量産が遅れても、EVの航続距離やコスト競争力を向上させるための別の選択肢を確保している。全固体電池の実用化時期は、技術革新の進展次第で前後する可能性があり、今後の動向が注目される。

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