米テスラ、中国製EVに新バッテリー搭載へ 航続距離向上
米テスラ、中国製EVに新バッテリー搭載へ

米電気自動車(EV)大手テスラは、中国で生産する一部のEVに新型バッテリーを搭載する計画だ。このバッテリーはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)タイプで、従来品と比べてエネルギー密度が向上し、航続距離を最大15%延ばせるという。

新型バッテリーの詳細

新バッテリーは、テスラの中国子会社が開発した。同社はこれまで、中国製モデル3やモデルYにLFPバッテリーを採用してきたが、新型はセル内部の構造を改良し、エネルギー密度を高めた。具体的には、セル内の電極材料の配合を最適化し、充放電効率を改善した。

関係者によると、新型バッテリーは2025年から中国の工場で生産が開始される見込みだ。当初はモデル3とモデルYのエントリーグレードに搭載され、その後他のモデルにも拡大される可能性がある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

コスト削減と競争力強化

新型バッテリーの採用により、テスラは車両のコスト削減も図る。LFPバッテリーは、ニッケルやコバルトを含む三元系バッテリーよりも材料費が安く、さらに製造工程の効率化により、バッテリーパック全体のコストを10%程度削減できると見られる。

これは、中国市場での競争激化に対応するための戦略だ。中国では、比亜迪(BYD)や上海汽車などの地元メーカーが低価格EVを投入しており、テスラは価格競争に巻き込まれている。新型バッテリーによるコスト削減と航続距離向上は、テスラの競争力を高める鍵となる。

航続距離の向上

新型バッテリーを搭載したモデル3の航続距離は、中国のテストサイクル(CLTC)で約600キロメートルに達する見込みだ。現行モデル3のLFP版は約556キロメートルなので、約8%の向上となる。一方、モデルYでは現行の約545キロメートルから約600キロメートルへと約10%向上する。

テスラは、新型バッテリーの生産を中国で行うことで、サプライチェーンのリスクを低減し、中国市場への供給を安定化させる狙いもある。

業界への影響

テスラの新型バッテリー投入は、EV業界全体に影響を与える可能性がある。LFPバッテリーは、エネルギー密度の面で三元系に劣るとされてきたが、近年は改良が進み、航続距離の差が縮まっている。テスラが新型LFPバッテリーで航続距離を大幅に改善すれば、他のメーカーも同様の技術開発を加速させる可能性がある。

また、コスト削減効果が明確になれば、より多くのメーカーがLFPバッテリーを採用する動きが広がるかもしれない。これは、バッテリー材料の需給や価格にも影響を及ぼす。

テスラは、今回の新型バッテリーについて具体的な発表をしていないが、関係者によると、既に中国の規制当局に認証を申請しているという。正式な発表は2024年中に行われる可能性がある。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ