アウディのコンパクトSUV「Q3」シリーズがフルモデルチェンジを遂げ、デジタル技術を満載して登場した。モータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗し、その「よかった発見」と「要改善点」をレポートする。
デジタルステージとコラムシフトの新しさ
新型Q3の最大の特徴は、11.9インチのコックピットプラスと12.8インチのMMIタッチディスプレイで構成される「デジタルステージ」だ。さらに、ステアリングコラムに統合型コントロールを採用。右側のレバーはギアシフター、左側はターンシグナルとライトコントロール、ワイパー操作を担う。このデザインはメルセデス・ベンツやBMWも採用しているが、小川氏は「以前、Sクラスでウインカーレバーと間違えてシフターをニュートラルに入れてしまった経験がある」と注意を促す。特に右ハンドル車では、左ハンドル設計をそのまま流用した弊害が生じている可能性があり、競合のレクサスNXなどと比較する際には、ディーラーでの説明が重要だと指摘する。
走行性能:150kWモデルの力強さ
試乗したモデルは19インチロードホイールと扁平タイヤをオプション装着。標準の18インチでは乗り心地が向上し、ステアリングやエンジントルクとのバランスが良くなるという意見もある。150kWのQ3スポーツバックは、スポーティな走りを期待させる。110kWモデルでは2000rpm以下のトルク不足感があるが、150kWは全域で力強く、クワトロシステムによりアクセル応答性が高い。前輪が車体を引き、後輪が押す印象で、カーブではロールを抑えた正確なライン取りが楽しめる。
後席空間の改善は“よかった発見”
新型Q3では後席空間が改善され、居住性が向上した。小川氏は「後席の足元空間が広くなり、長時間のドライブでも快適」と評価する。また、デジタルステージの操作性も良好で、タッチディスプレイの反応は速く、メニューも直感的だ。ただし、コラムシフターの位置には慣れが必要で、特に右ハンドル車では注意が必要とされる。
総評:デジタルと走りのバランス
新型アウディQ3シリーズは、デジタル技術と走行性能のバランスが取れたモデルに仕上がっている。150kWスポーツバックのダイナミックな走りは魅力的で、後席空間の改善も実用的だ。一方で、コラムシフターの誤操作リスクは改善が望まれる点。競合車種との比較検討の際には、試乗時の注意点として挙げられるだろう。



