日本の半導体産業がかつての栄光を取り戻すべく、官民を挙げた取り組みが加速している。経済産業省は2023年度補正予算で約1.3兆円を半導体関連に計上し、国内生産拠点の整備や先端技術の研究開発を支援する方針だ。
官民連携の新たな枠組み
政府は2022年に「半導体・デジタル産業戦略」を策定し、2030年までに国内半導体関連の売上高を15兆円に引き上げる目標を掲げた。この実現に向け、経産省は「ラピダス」など新興企業への支援を強化。ラピダスは2025年までに北海道千歳市に最先端の2ナノメートルプロセスに対応する工場を建設する計画で、総投資額は約5兆円に上る。
技術開発の最前線
東京エレクトロンやSCREENホールディングスなどの装置メーカーは、先端半導体製造に不可欠な装置で高いシェアを維持している。また、キオクシアホールディングスはNAND型フラッシュメモリーで世界トップクラスの技術を有する。しかし、ロジック半導体の分野では台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子に大きく後れを取っている。
経産省の担当者は「日本の強みである材料や装置の技術を活かし、設計や製造の川下分野でも存在感を示す必要がある」と指摘する。
国際競争力強化の課題
人材不足は喫緊の課題だ。半導体業界では2030年までに約3万5000人の技術者不足が見込まれており、大学や研究機関との連携による人材育成が急務となっている。また、電力コストの高さや為替変動も競争力に影響を与える。
さらに、地政学的リスクへの対応も求められる。台湾有事の際の半導体供給網の寸断に備え、国内生産基盤の強化が安全保障上の観点からも重要視されている。



