東京都にある神代団地では、伝統的な「放鷹」技術を活用した害鳥対策が成果を上げている。鷹匠の江頭さんが飼いならしたハリスホーク(モモアカノスリ)の雌「蓮」ちゃんを放ち、鳩やカラスを追い払うことで、糞害やゴミ荒らしが激減した。
放鷹による害鳥対策の実際
ベランダにハトが住み着くと、大量の糞で美観が損なわれるだけでなく、アレルギーや感染症のリスク、建物の劣化を招く。神代団地では、鷹匠が放鷹することで、これらの問題を解決している。江頭さんによると、ムクドリ対策にも放鷹が有効で、自治体からの要請も多いという。ムクドリの場合は日没前に一斉に寝床に戻る習性を利用し、そのタイミングで放鷹を行う。
カラスの賢さと放鷹の効果
カラスは非常に賢く、特定の人間や車両を識別することが知られている。今回の取材では、カラスがすでに鷹匠を敵と認識し、威嚇行動を見せた。放鷹により「ここは天敵がいる危険な場所」とカラスに学習させ、追い払う効果が期待できる。
使用されるハリスホークは、賢く人に慣れているため、猛禽類のペットや鷹狩り、バードショーでも人気がある。鷹匠は1人につき2~3羽の相棒を持ち、現場に応じて適切な個体を選ぶ。例えば、人に慣れた個体はショーに、物おじしない個体は工場での対策に使われる。
放鷹の歴史と背景
放鷹は「鷹狩」とも呼ばれ、江戸時代には徳川将軍や大名が武士の軍事訓練や権威の誇示、民情視察を兼ねて行った文化の一つである。現代では、害鳥対策としてその技術が再評価されている。



