トヨタとNTT、自動運転向けAI半導体で協業へ 5兆円投資
トヨタとNTT、自動運転向けAI半導体で協業へ (30.06.2026)

トヨタ自動車とNTTが、自動運転技術に不可欠なAI半導体の開発で協業する方向で最終調整に入った。関係者によると、両社は2025年中に新会社を設立し、2030年までに総額5兆円を投じて世界最高水準の半導体を量産する計画だ。この動きは、自動運転の実用化に向けた競争が激化する中で、日本企業が技術主権を確保する狙いがある。

協業の背景と目的

自動運転技術では、大量のセンサーデータをリアルタイムで処理する高性能AI半導体が不可欠だ。現在、この分野では米エヌビディアやインテル、韓国サムスン電子などが先行している。トヨタとNTTは、自社の強みを生かした国産半導体の開発を目指す。トヨタは車両制御技術と量産ノウハウ、NTTは光通信技術やAI処理に強みを持つ。

新会社は、トヨタグループの半導体会社「ミライズテクノロジーズ」とNTTの研究開発部門が主体となる見込み。両社はすでに2023年から共同研究を開始しており、今回の協業で実用化を加速する。

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投資規模と量産計画

総投資額5兆円は、半導体業界でも過去最大級の規模だ。このうち、NTTは約3兆円を負担し、トヨタは約2兆円を出す方向で調整している。資金は新会社の運営や製造設備に充てられる。量産は2030年までに開始し、まずはトヨタの高級車ブランド「レクサス」向けに搭載する計画だ。その後、他の自動車メーカーや産業用ロボットなどへの供給も視野に入れる。

トヨタの豊田章男会長は「自動運転の実現には、ソフトウェアとハードウェアの両面で革新が必要だ。NTTとの協業で、日本の技術力を結集したい」とコメントしている。NTTの島田明社長も「光電融合技術を活用した次世代半導体で、世界をリードする」と述べた。

業界への影響

今回の協業は、日本政府の半導体戦略とも合致する。経済産業省は2023年に「半導体・デジタル産業戦略」を策定し、2030年までに国内半導体関連投資を10兆円規模に拡大する目標を掲げている。トヨタとNTTのプロジェクトは、この戦略の一環として位置づけられる可能性がある。

一方、競合他社の動きも活発だ。米エヌビディアは自動運転向け半導体「Drive Thor」を2025年に投入予定で、独フォルクスワーゲンや中国・比亜迪(BYD)との提携を進めている。トヨタとNTTの協業が、国際競争でどこまで優位に立てるかが注目される。

自動運転技術の進展は、交通事故の削減や物流効率化など社会全体に恩恵をもたらすと期待される。トヨタとNTTの挑戦は、日本の産業競争力の行方を左右する重要な試金石となる。

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