リチウムイオン電池の固体化が進む、トヨタと出光の協業が突破口に
リチウムイオン電池の固体化、トヨタと出光が突破口

リチウムイオン電池の次世代技術として注目される「全固体電池」の実用化に向けて、トヨタ自動車と出光興産が協業を発表した。全固体電池は、従来の液体電解質を固体材料に置き換えることで、エネルギー密度の向上や安全性の大幅な改善が期待される。トヨタは2030年ごろの実用化を目指しており、今回の協業では硫化リチウム系の固体電解質の量産技術を確立することが急務となっている。

全固体電池のメリットと課題

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池と比較して、エネルギー密度が2倍以上になる可能性がある。また、電解質が固体であるため、発火リスクが低く、安全性が高い。一方で、固体電解質のイオン伝導度が低いことや、電極との界面抵抗が大きいことが課題とされてきた。トヨタと出光は、これらの課題を解決するため、材料開発と製造プロセスの最適化を進める。

出光興産は、石油精製技術を応用した硫化リチウム系材料の開発で先行しており、トヨタの電池設計技術と組み合わせることで、実用化への道筋をつける。両社は、2024年中にパイロットラインを稼働させ、量産技術を検証する計画だ。

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競合他社の動向

全固体電池の開発競争は世界的に激化している。韓国のサムスンSDIやLGエナジーソリューション、中国のCATLなども開発を進めており、トヨタは出光との協業で差別化を図る。特に、自動車向けでは、航続距離の延長と充電時間の短縮が求められており、全固体電池はこれらの要求に応える可能性がある。

トヨタは、2025年までにハイブリッド車に全固体電池を搭載する目標を掲げていたが、技術的な難しさから延期を余儀なくされた。今回の協業により、再び目標達成への期待が高まっている。

量産化へのロードマップ

トヨタと出光は、2027年から2028年をめどに量産を開始し、2030年には年間数十万台の電気自動車に搭載可能な生産能力を目指す。量産化の鍵は、固体電解質の製造コストを低減し、既存のリチウムイオン電池とのコスト競争力を確保することだ。また、電池パック全体の設計も最適化し、車両への搭載を容易にする必要がある。

トヨタの研究所長は「全固体電池は、次世代のモビリティ社会を支える基盤技術。出光との協業で、量産技術の壁を突破したい」とコメントしている。

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