半導体受託生産(ファウンドリ)の新興企業である株式会社XYZセミコンダクター(仮名)は、ルネサスエレクトロニクスとの協業を発表した。同社は車載向け半導体の製造に参入し、2026年までの量産開始を目指す。これにより、世界的な半導体不足が続く自動車業界に新たな供給源が生まれることになる。
協業の背景と目的
ルネサスは車載向けマイコンで世界トップシェアを誇るが、近年の半導体需要増加により生産能力が逼迫している。一方、XYZセミコンダクターは先端プロセス技術を持つ新興ファウンドリとして注目されてきた。両社の協業は、ルネサスの設計技術とXYZの製造技術を組み合わせることで、車載向け半導体の安定供給を実現することを目的としている。
XYZセミコンダクターのCEOは「当社の製造能力とルネサスの車載向け品質基準を融合させることで、高信頼性の半導体を提供できる」とコメントしている。
生産計画と投資規模
XYZセミコンダクターは、既存の工場に車載向け専用ラインを新設する計画で、投資額は約500億円を見込む。2025年までに試験生産を開始し、2026年には月産1万枚(300mmウェハ換算)の量産体制を確立する予定だ。生産する半導体は、主にパワーマネジメントICやマイコンなど、車載電子制御ユニット(ECU)向けとなる。
ルネサスの車載向け半導体事業責任者は「XYZセミコンダクターの技術力は高く評価しており、今回の協業で車載向け半導体の供給能力を大幅に向上できる」と述べている。
業界への影響
今回の協業は、自動車業界の半導体調達戦略に変化をもたらす可能性がある。従来、自動車メーカーはIDM(垂直統合型半導体メーカー)からの調達が中心だったが、ファウンドリの活用が広がることで、供給源の多様化が進むとみられる。
調査会社IHS Markitによると、2023年の車載向け半導体市場は約500億ドル規模で、2026年には700億ドルに成長する見通しだ。XYZセミコンダクターの参入により、市場の競争が一層激化すると予想される。
今後の展望
XYZセミコンダクターは、今回の協業を足掛かりに、さらに先端プロセスへの投資を進める方針だ。3ナノメートル世代の製造技術開発にも着手しており、2027年以降の量産を目指す。同社は「車載向けだけでなく、AI向け半導体など高成長分野への展開も視野に入れている」としている。
一方、ルネサスは自社の生産能力増強も並行して進めており、2024年には山形県の工場で新ラインを稼働させる計画だ。今回の協業は、ルネサスの外部委託戦略の一環と位置づけられる。



