サムスン電子が半導体の受託生産(ファウンドリ)事業で、日本企業との提携を強化する方針を明らかにした。同社は先端パッケージ技術や材料調達などで日本企業との協業を進め、日本市場でのプレゼンスを高める狙いだ。
日本企業との協業拡大の背景
サムスン電子は、半導体ファウンドリ事業で世界首位の台湾積体電路製造(TSMC)に次ぐ2位の座を狙う。日本政府が半導体産業の復興を掲げ、国内での生産拠点拡大を支援する中、サムスンは日本企業との連携を強化することで、技術力向上と顧客基盤の拡大を図る。
サムスン電子の半導体部門責任者は「日本には優れた材料メーカーや装置メーカーが多く、先端パッケージ技術の開発で協力できる」と述べ、特に積層型メモリやシステムインパッケージ(SiP)などの分野で日本企業との協業に期待を示した。
具体的な提携内容
サムスンは、日本の半導体材料メーカーである信越化学工業やSUMCOとの間で、先端工程向けシリコンウエハーの安定調達に向けた協議を進めている。また、東京エレクトロンなどの半導体製造装置メーカーとも、次世代プロセス技術の共同開発を検討中だ。
さらに、サムスンは日本のスタートアップ企業との協業も模索。特に、AI向け半導体設計やセンサー分野のベンチャー企業との連携を強化し、受託生産の案件獲得を目指す。
日本市場での受託生産拡大
サムスンは現在、韓国・華城工場で先端ロジック半導体の受託生産を行っているが、日本国内での生産拠点設立も視野に入れている。同社関係者は「日本のお客様との距離を縮めるため、国内に設計支援拠点を設けることも検討している」と話す。
半導体受託生産市場は、TSMCが約5割のシェアを占める一方、サムスンは約2割にとどまる。しかし、サムスンはメモリー半導体で培った微細加工技術を活かし、ロジック半導体の受託生産で巻き返しを図る。日本企業との提携は、その戦略の一環と位置づけられる。
業界関係者は「サムスンが日本企業との協業を強化すれば、半導体サプライチェーンの多様化につながる」と指摘。日本政府も国内半導体産業の活性化を期待している。



