国際サッカー連盟(FIFA)は、2026年ワールドカップから導入する新たなビデオ判定技術「VARライト」を発表した。このシステムは、従来のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を簡略化し、判定時間を大幅に短縮することを目指している。
VARライトの仕組みと特徴
VARライトは、ゴールやPK、レッドカードなどの重要な判定のみを対象とし、オフサイドなどの微妙な判定は自動化システムに委ねる。これにより、審判の主観的な判断を減らし、試合の流れを停滞させない。FIFAの技術責任者であるヨハン・シュミット氏は、「VARライトは、試合のスピードと正確性を両立させるために設計された。従来のVARでは平均2分かかっていた判定が、30秒以内に完了する」と述べている。
導入の背景と効果
従来のVARは、2018年ワールドカップで初導入されて以来、判定の正確性を高めた一方で、試合の中断時間が長くなるという批判があった。特に、2022年カタール大会では、VARによる中断が平均で1試合あたり3分を超え、ファンから不満の声が上がっていた。FIFAの調査によると、VARライトの導入により、判定にかかる時間が平均で70%削減される見込みだ。また、自動オフサイド判定システム(SAOT)と連携することで、オフサイドの誤審もほぼゼロになると期待されている。
2026年ワールドカップへの準備
FIFAは、2025年のクラブワールドカップでVARライトを試験的に導入し、問題点を洗い出す予定だ。その後、2026年の北中米ワールドカップで本格運用を開始する。シュミット氏は、「この技術は、サッカーの公正さを保ちつつ、エンターテインメント性を損なわないために不可欠だ。ファンも選手も、よりスムーズな試合運営を実感できるだろう」と強調した。
今後の展望
VARライトは、国内リーグへの導入も視野に入れている。すでにプレミアリーグやブンデスリーガなど主要リーグが関心を示しており、2027年シーズンからの採用を検討している。FIFAは、この技術を世界中のサッカー競技に広めることで、サッカーのグローバルな発展に貢献したいとしている。



