日本の半導体製造装置市場が2025年に過去最高の5兆円を超える見通しであることが、業界団体の調査で明らかになった。半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した予測によると、2025年度の日本の半導体製造装置の売上高は5兆円を突破し、前年度比で約10%の成長が見込まれる。これは、データセンター向けの半導体需要の拡大や、先端ロジック半導体の製造投資が活発化していることが背景にある。
過去最高を更新する市場規模
SEAJのデータによれば、2024年度の売上高は約4兆5000億円と見込まれており、2025年度には5兆円を超えることで、2022年度に記録した過去最高の4兆2000億円を更新する。特に、東京エレクトロンやディスコといった日本の主要半導体製造装置メーカーが、世界的な半導体需要の高まりを受けて受注を伸ばしている。
東京エレクトロンは、エッチング装置や成膜装置で世界トップクラスのシェアを持ち、先端ロジック半導体や3D NANDフラッシュメモリの製造に不可欠な装置を提供している。同社の2024年度の売上高は1兆8000億円と予想され、2025年度には2兆円を超える可能性がある。また、ディスコは、半導体の切断や研磨に使う精密加工装置で世界シェアの約7割を占め、生成AI向けの半導体需要拡大で業績を伸ばしている。
世界シェア3割を維持
日本の半導体製造装置メーカーは、世界市場でも高い競争力を維持している。SEAJの調べでは、2023年の日本の半導体製造装置の世界シェアは約30%で、米国に次ぐ第2位となっている。特に、成膜装置や洗浄装置、検査装置などの分野で強みを持つ。日本メーカーの強みは、高い技術力と信頼性にあり、先端半導体の微細化に伴い、より精密な装置の需要が高まっていることが追い風となっている。
「日本の半導体製造装置メーカーは、長年にわたる技術開発の蓄積と、顧客との緊密な連携により、世界の半導体産業を支えている」とSEAJの関係者は述べている。同協会は、2025年以降もデータセンターやAI向け半導体の需要が拡大し、市場は成長を続けると予測している。
業界の課題と今後の展望
一方で、業界には課題もある。半導体製造装置の受注は、半導体メーカーの設備投資に左右されるため、景気変動の影響を受けやすい。また、米中対立の影響で、中国向けの輸出規制が強化されており、一部のメーカーは販売戦略の見直しを迫られている。さらに、人材不足や技術継承の問題も深刻化している。
こうした中、日本の半導体製造装置メーカーは、次世代半導体の開発に向けた投資を加速している。例えば、東京エレクトロンは、2ナノメートル世代の半導体製造に対応する装置の開発を進めており、2025年以降の量産開始を目指している。ディスコも、AI向け半導体の需要増加に対応するため、生産能力の増強を図っている。
SEAJの予測によれば、2026年度の市場規模は5兆3000億円に達する見込みで、日本の半導体製造装置業界は、今後も成長を続けると期待されている。



