キヤノンは、半導体露光装置分野で新たな攻勢をかけている。同社はナノインプリント技術を採用した露光装置の開発を強化し、従来の投影露光方式とは一線を画すアプローチで市場拡大を狙う。ナノインプリントは、型を押し付けるようにして微細なパターンを形成する技術で、低コストかつ高精度な加工が可能とされる。
ナノインプリント技術の優位性
ナノインプリントリソグラフィ(NIL)は、従来の光学式露光装置に比べ、装置コストを大幅に低減できる可能性がある。また、微細化が進む半導体製造において、5ナノメートル以下のパターン形成も可能とされ、次世代半導体の量産技術として期待されている。キヤノンは、この技術を活用し、現在オランダのASMLが独占する先端半導体露光装置市場に挑む。
キヤノンの担当者は「ナノインプリントは、従来の露光装置では難しかった微細パターンを低コストで実現できる。特に、IoT向けセンサーやメモリなど、コスト重視の分野で需要が見込める」と述べている。
市場への影響と今後の展開
キヤノンのNIL技術は、すでに一部のメモリメーカーで採用が始まっており、2025年までに本格的な量産対応を目指す。同社は、2023年にNIL装置「FPA-1200NZ2C」を発売し、サンプル出荷を開始している。これにより、半導体露光装置市場におけるキヤノンのシェア拡大が期待される。
半導体業界では、微細化の限界が叫ばれる中、NILはポストリソグラフィ技術の一つとして注目を集めている。キヤノンは、この技術でASMLに対抗し、市場の多様化を促進する可能性がある。



