近年の旧車ブームが、従来の定番モデルからさらに広がりを見せ、トヨタ「サイノス コンバーチブル」やマツダ「コスモスポーツ」、日産「レパード」といった、やや脱定番ながら希少性の高い国産ヘリテージカーにも波及している。トヨタ博物館が展示した「セリカGT-FOUR」と「サイノス コンバーチブル」は、来場者の関心を集めた。
サイノス コンバーチブル:4人乗りオープンの魅力
サイノス コンバーチブルは、2人乗りのスポーティなオープンモデルとは一線を画し、大人4名が乗車可能で、おしゃれな雰囲気も楽しめる点が特徴だ。SUV全盛の現代において、こうした遊び心のある国産モデルが姿を消したことは、クルマ好きにとって寂しい限りである。筆者としては、サイノス コンバーチブルのようなモデルの復活を強く願いたい。
マツダ・コスモスポーツ:国産スーパーカーの元祖
近年、国産スーパーカーの元祖として注目度が急上昇しているのが、マツダ「コスモスポーツ」だ。今回のショーでも数台が展示され、中でもガレージスターフィールド(群馬県)が展示した昭和45年(1970年)式の後期型は、美しくレストアされていた。その近未来的なスタイリングは、まるで宇宙船のようだと形容される。
コスモスポーツは、世界初のロータリーエンジンを搭載し、1967年に初代モデルが登場した伝説のスポーツカーである。ロータリーエンジンは、名車「RX-7」など数多くのスポーツモデルに搭載され、かつてマツダの代名詞だったパワーユニットだ。軽量・コンパクトながら、高出力・高回転を実現するメリットを持つ。
ロータリーエンジン開発の苦闘
マツダがロータリーエンジンの開発を始めたのは1961年。当初は、一定時間運転するとエンジンの内壁面に「チャターマーク」が発生するという問題に直面した。これは通称「悪魔の爪痕」と呼ばれる波状の異常摩耗である。そこでマツダは、ドイツのNSU社と技術提携し、幾度となく改良とテストを重ねた。その努力が実り、多くのメーカーが開発を断念する中、実用化に成功。満を持して発売されたのがコスモスポーツだった。
2ドアクーペのボディは、当時としては極めて斬新な未来的デザインが特徴。エンジンは491cc×2という小排気量ながら、2リッタークラスのモデルを凌ぐ128PSの出力を発生し、当時としては圧倒的な高性能を発揮した。
『あぶない刑事』でおなじみのレパード
日産「レパード」も、脱定番のヘリテージカーとして人気を集めている。特に、テレビドラマ『あぶない刑事』の劇中車として使用されたことで広く知られ、そのスタイリッシュなデザインとパフォーマンスが再評価されている。旧車ブームの広がりとともに、こうした希少な国産車への注目は今後も続くと見られる。



