楽天、携帯事業の赤字縮小も収益化への道筋は依然不透明
楽天携帯赤字縮むも収益化の道筋不透明

楽天グループが2024年11月に発表した2024年12月期第3四半期(1~9月)の連結決算によると、携帯電話事業を中核とする「楽天モバイル」の営業赤字は前年同期比で縮小したものの、累積赤字は1兆円を超え、収益化への道筋は依然として不透明な状況が続いている。

赤字幅縮小も累積赤字は1兆円超

楽天モバイルの第3四半期の営業赤字は約1,200億円で、前年同期の約1,800億円から縮小した。これは、基地局の整備コストが一巡したことや、契約者数の増加による収入増が寄与したためだ。しかし、累積赤字は1兆円を超え、投資回収のめどは立っていない。

楽天グループ全体の売上高は前年同期比で約10%増の1.2兆円となったが、最終損益は約1,500億円の赤字となった。三木谷浩史会長兼社長は決算説明会で「携帯事業の赤字は着実に縮小している。2025年には収益化を目指す」と述べたが、市場の反応は冷ややかだ。

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契約者数は拡大もARPUは低水準

楽天モバイルの契約者数は2024年9月末時点で約600万件と、前年同期の約400万件から増加した。しかし、1契約者当たりの月間平均収入(ARPU)は約1,500円と、業界平均の約4,000円を大きく下回っている。これは、低価格プランや無料キャンペーンに依存しているためだ。

また、楽天モバイルは2024年10月に「Rakuten最強プラン」を改定し、データ無制限プランの価格を引き上げたが、競合他社の追随が予想され、収益改善への効果は限定的との見方もある。

基地局投資の負担は依然重く

楽天モバイルは、自社で基地局を整備する「完全仮想化」方式を採用し、コスト削減を図ってきた。しかし、人口カバー率を高めるための投資は依然として必要で、2024年12月期の設備投資額は約2,000億円を見込む。

信用格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、2024年10月に楽天グループの長期格付けを「B-」から「CCC+」に引き下げた。S&Pのアナリストは「楽天モバイルの収益化の見通しは不透明で、資金調達環境が悪化すれば流動性リスクが高まる」と指摘する。

楽天経済圏とのシナジーも限定的

楽天グループは、携帯事業と楽天市場や楽天カードなどとのシナジー効果を訴求しているが、現時点では目立った成果は出ていない。楽天モバイルの契約者のうち、楽天市場での買い物頻度が増えたとのデータはなく、経済圏の拡大には至っていない。

アナリストからは「楽天モバイルの顧客獲得コストが高く、経済圏のロイヤルティ向上につながっていない」との指摘が出ている。楽天グループは2025年までに携帯事業の黒字化を目指すが、実現可能性は不透明だ。

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