2026年5月19日に発売されたアウディの新型「Q3」は、3代目へのフルモデルチェンジを果たし、質実剛健な実用性と劇的な進化を両立させたSUVとして注目を集めている。交通コメンテーターの西村直人氏が試乗し、とくにベースグレードが狙い目である理由を車内空間の設計思想から解説した。
曲面ディスプレイがもたらす視認性と操作性の向上
新型Q3では、運転席やセンター周りのパネルに曲率が与えられている。これはデザイン性の向上だけでなく、機能面での改善が顕著だ。外光を受けても反射が少なく、表示情報の判読が容易で、センターに配置された12.8インチのMMIタッチディスプレイの左上(遠くなる場所)にも、正しい運転姿勢のまま左手の指が届く。主要コンポーネントを共有するフォルクスワーゲン「ティグアン」の平面ディスプレイにも角度が付けられているが、アウディのような曲面のほうが状況を問わず視認性が高いという。
新設計インテグレーテッドスイッチモジュールで直感的操作
アウディ初の試みとして、ステアリングコラムに電子シフト方式のレバーを採用。ステアリングコラムにまたがるひとつのバーと、その左右に配置したスイッチ群で構成されるHMIだ。右側にギアシフター、左側にはウインカー/ワイパー/ハイビームの操作レバーを配し、直感的な操作を実現している。
絶妙な物理スイッチとタッチディスプレイの役割分担
西村氏は、新型Q3の車内空間でとくに気に入った点として、物理スイッチとタッチディスプレイの役割分担を挙げる。頻繁に使う機能は物理スイッチで、詳細な設定やナビゲーションはタッチディスプレイで操作するという明確な使い分けが、運転中のストレスを軽減している。また、ドライバーの着座位置とデザイン、安全性を高い次元でまとめる設計の難しさを克服し、スペースが広く保たれている点も評価している。西村氏は「直近で試乗した新型CX-5ではAピラーに頭をぶつけたが、Q3では同じ動作でも空間が広く保たれていた」と述べている。
ベースグレードでも十分な装備と走行性能
新型Q3のベースグレードは、必要十分な装備と優れた走行性能を備えており、コストパフォーマンスに優れる。アウディの最新技術である曲面ディスプレイや新設計スイッチモジュールは全グレードに標準装備され、ベースグレードでも最新の快適性と操作性を体験できる。西村氏は「ベースグレードでも十分に満足できる仕上がりで、むしろ上級グレードとの差を感じさせない」と評価している。
新型Q3は、実用性と先進性をバランスよく融合させたSUVとして、幅広いユーザーに支持されることが期待される。



