EV販売不振でドイツ自動車大手が苦境、フォルクスワーゲンが工場閉鎖を検討
EV不振でVWが工場閉鎖検討、独自動車大手苦境

フォルクスワーゲン(VW)は、電気自動車(EV)の販売不振を受けて、ドイツ国内の工場閉鎖を初めて検討している。同社は2026年までに100億ユーロ(約1兆6000億円)のコスト削減を目指しているが、EV需要の減速が計画に影を落としている。

EV需要減速がVWの計画に打撃

VWは、EVへのシフトを加速するために多額の投資を行ってきた。しかし、補助金の打ち切りや充電インフラの不足などにより、欧州でのEV販売は伸び悩んでいる。2023年のVWグループのEV販売台数は前年比で約21%増の77万1000台だったが、目標には届かなかった。

同社の最高財務責任者(CFO)は「現在の市場環境は厳しく、コスト削減は不可避だ」と述べている。工場閉鎖の具体的な候補は明らかにされていないが、ドイツ国内の複数の工場が対象となる可能性がある。

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ドイツ自動車産業全体に波及

VWの苦境は、ドイツ自動車産業全体の課題を浮き彫りにしている。メルセデス・ベンツやBMWもEV販売の鈍化に直面しており、各社は生産調整を余儀なくされている。ドイツ自動車工業会(VDA)によると、2023年のドイツ国内のEV新車登録台数は約52万4000台で、前年比11%増にとどまった。

VWの工場閉鎖検討は、ドイツの雇用にも影響を与える可能性がある。同社はドイツ国内に約12万人の従業員を抱えており、工場閉鎖が実現すれば大規模な人員削減につながる恐れがある。

今後の見通し

VWは、2025年までにEVの販売台数を全体の20%に引き上げる目標を掲げている。しかし、現在の需要低迷が続けば、目標達成は困難とみられる。同社は、より低価格なEVモデルの投入や、ソフトウェア分野での提携強化など、新たな戦略を模索している。

アナリストは「VWの決断は、欧州自動車産業の転換点となるだろう」と指摘する。工場閉鎖の是非をめぐり、労使間の交渉が今後本格化する見通しだ。

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