EVシフト加速で急増する中古バッテリー、リユース市場が熱い
EVシフトで急増する中古バッテリー、リユース市場が熱い

電気自動車(EV)の普及が加速するなか、使用済みバッテリーのリユース(再利用)市場が急速に拡大している。EVに搭載されたリチウムイオンバッテリーは、容量が70~80%程度に低下しても、定置型蓄電池など別の用途で十分に使えるため、リユース需要が高まっているのだ。

リユース市場の規模と成長率

調査会社の富士経済によると、2023年の国内リユースバッテリー市場規模は前年比約2倍の200億円に達した。2030年には1000億円を超える見通しで、年平均成長率は30%以上と見込まれている。この急成長の背景には、EVの販売台数増加に伴い、リユース可能な中古バッテリーの供給量が増えていることがある。

リユースの具体的な用途

リユースバッテリーの主な用途は、家庭用や産業用の蓄電システムだ。太陽光発電と組み合わせて夜間や停電時に電力を供給するほか、工場のピークカットや、EV充電スタンドのバッファー蓄電池としても活用されている。例えば、トヨタ自動車は2022年から、コネクティッド技術を活用したリユースバッテリーの遠隔監視サービスを開始。また、日産自動車はリーフの使用済みバッテリーを家庭用蓄電池として販売している。

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ビジネスモデルの多様化

リユースビジネスは、バッテリーの回収・検査・再製品化・販売までを一貫して行う事業者が増えている。さらに、バッテリーの状態を評価する「SOH(State of Health)」診断技術や、リユース品の性能保証サービスなど、周辺ビジネスも発展している。新興企業のスタートアップも参入し、競争が激化している。

一方で、課題もある。バッテリーの劣化状態を正確に診断する技術の確立や、リユース品の安全基準の策定、そしてリユース後の廃棄に関するルール整備などが求められている。経済産業省は2024年度から、リユースバッテリーの品質認証制度の導入を検討しており、市場の信頼性向上を図る方針だ。

環境負荷低減への貢献

リユースは、バッテリーのライフサイクル全体での環境負荷低減に貢献する。新たにバッテリーを製造するよりも、リユース品を使うことで、CO2排出量を約70%削減できるとの試算もある。また、レアメタルの使用量を減らすことにもつながり、資源の有効活用の観点からも重要だ。

EVシフトが世界的に加速するなか、中古バッテリーのリユース市場は今後も成長が続くと予想される。関連企業は、技術開発やビジネスモデルの革新を進め、持続可能な社会の実現に貢献することが期待される。

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