トヨタ、水素エンジン車の量産を2026年に開始へ 航続距離は800km
トヨタ、水素エンジン車量産を2026年に開始 航続800km

トヨタ自動車は、水素を燃料とするエンジン車の量産を2026年に開始すると発表した。同社の技術開発責任者によれば、量産モデルの航続距離は800kmを達成し、現行の燃料電池車(FCV)「ミライ」の約850kmに迫る性能を実現する。

水素エンジンの仕組みと優位性

水素エンジンは、従来のガソリンエンジンの燃料供給系を改造し、水素を直接燃焼させる方式。二酸化炭素を排出せず、カーボンニュートラルな動力源として注目されている。トヨタは既にレース用車両で水素エンジンを実証しており、2023年の富士24時間レースでは市販車ベースの水素エンジン車が完走した。

同社のエンジニアリング担当役員は「水素エンジンは既存の内燃機関技術を活用できるため、製造コストを抑制できる。また、燃料電池車に比べてシステムが簡素で、重量面でも有利だ」と説明する。量産化に当たっては、部品の耐久性向上と水素供給システムの最適化が図られた。

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市場投入と販売目標

2026年に発売されるモデルは、現行の「カローラ」をベースにしたセダンタイプで、価格は500万円台を想定。当初は法人向けを中心に販売し、2028年には年間1万台の生産を目指す。トヨタは「水素エンジン車は、電気自動車(EV)と並ぶ脱炭素の選択肢として、多様なニーズに応える」と強調する。

一方、水素ステーションの整備が普及の鍵となる。日本では現在約170カ所にとどまり、政府は2030年までに1000カ所への拡大を目標に掲げる。トヨタは水素供給インフラの整備を推進するため、エネルギー企業との連携を強化する方針だ。

業界への影響と今後の展開

この動きは、自動車業界の電動化戦略に新たな選択肢を加える。日産自動車やホンダはEVに注力する一方、トヨタはハイブリッド車(HV)、FCV、水素エンジン車と複数の技術を並行開発する「マルチパスウェイ戦略」を掲げる。

専門家は「水素エンジンは、重量物運搬や長距離走行が必要な商用車に適している。乗用車ではEVが主流になる可能性が高いが、水素エンジンは特定の用途で競争力を持つ」と分析する。トヨタは今後、SUVやピックアップトラックなどへの展開も検討している。

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