トヨタ自動車は中国市場での電気自動車(EV)攻勢を強める。2026年までに中国でのEV生産能力を現在の約30万台から年産60万台へと倍増させる計画だ。関係筋の情報として、複数のメディアが報じた。
新工場建設と生産ライン増強
トヨタは中国の現地合弁会社である広汽トヨタと一汽トヨタを通じて、新たなEV専用工場を建設する。広汽トヨタは広東省広州市に、一汽トヨタは天津市にそれぞれ新工場を設け、2025年から順次稼働を開始する見込み。これにより、両社合わせて年産30万台の追加生産能力を確保する。
また、既存の工場でもEV向け生産ラインの増強を進め、内燃機関車からEVへの転換を加速する。トヨタは2026年までに中国市場で10車種以上のEVを投入する計画で、生産能力の拡大はその基盤となる。
中国EV市場での競争激化
中国は世界最大のEV市場であり、BYDや上海汽車などの地元メーカーが急速にシェアを拡大している。2023年の中国EV販売台数は約900万台に達し、前年比で35%増加した。トヨタの中国市場でのEV販売は2023年に約10万台と、全体の販売台数190万台の5%強にとどまっている。
トヨタの中国法人トヨタ・モーター・チャイナの責任者は「中国市場でのEV需要の高まりに対応するため、生産能力の拡大は不可欠だ」と述べている。同社は2024年に中国向けEVの新型モデルを投入し、販売網も強化する方針だ。
トヨタのグローバルEV戦略
トヨタは2026年までに世界で年産150万台のEV販売を目指しており、中国はその中核市場の一つに位置づけられている。中国での生産能力倍増は、この目標達成に向けた重要な一歩となる。また、トヨタは中国のバッテリーメーカーであるCATL(寧徳時代新能源科技)との協業を強化し、コスト競争力の向上も図る。
一方で、中国市場ではテスラやBYDとの価格競争が激化しており、トヨタの収益性への影響が懸念される。トヨタは規模の経済を活かしたコスト削減と、ハイブリッド車で培った効率的な生産技術をEVに応用することで、競争力を維持する方針だ。



