EVシフト加速で部品大手が生き残りへ、トヨタ系サプライヤーの戦略
EVシフト加速で部品大手の生き残り戦略

自動車業界のEVシフトが加速する中、トヨタ自動車系の部品大手各社は生き残りをかけた戦略を打ち出している。デンソーやアイシンなどは、電動化技術への投資を大幅に拡大し、2025年までに研究開発費を現在の2倍に引き上げる計画だ。

電動化技術への集中投資

デンソーは、EV向けのインバーターやモーターの生産能力を2025年までに3倍に増強する方針を明らかにした。同社は、2030年までに電動化関連の売上高を現在の約3倍の1兆円に引き上げる目標を掲げている。アイシンも、EV用トランスミッションや熱管理システムの開発に注力し、2025年までに電動化部品の売上高を倍増させる計画だ。

両社の投資額は、2023年度の合計で約5000億円に達する見込みで、これは前年度比で約40%の増加となる。トヨタ自動車も、2030年までにEVの世界販売台数を350万台に引き上げる目標を掲げており、サプライヤー各社はこれに対応した生産体制の構築を急いでいる。

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生き残りをかけた技術開発競争

部品大手の間では、電動化技術の開発競争が激化している。デンソーは、次世代のSiC(炭化ケイ素)パワー半導体を搭載したインバーターを開発し、2024年から量産を開始する予定だ。このインバーターは、従来品に比べて電力損失を約50%削減できるという。

アイシンは、EVの航続距離を延ばすための高効率な熱管理システムを開発中で、2025年までに実用化を目指している。同社の担当者は「電動化技術は、従来のエンジン部品とは全く異なる競争のルールが適用される。我々は、新しい技術で差別化を図る必要がある」と語っている。

一方、トヨタ自動車も、全固体電池の量産化に向けた研究開発を加速しており、2027年から2028年の実用化を目指している。これにより、EVの航続距離や充電時間の大幅な改善が期待されている。

部品メーカーの再編も加速

EVシフトによる市場構造の変化は、部品メーカーの再編も促している。デンソーとアイシンは、電動化技術の共同開発を進めており、両社の協力関係はさらに強化される見通しだ。また、トヨタ自動車は、グループ内の部品メーカーを統合し、電動化技術の開発効率を高める方針を検討している。

業界アナリストは「EVシフトは、部品メーカーの生き残りをかけた構造改革を迫っている。投資規模や技術力で劣る中小部品メーカーは、淘汰される可能性が高い」と指摘する。実際、トヨタ系の中小部品メーカーの間では、電動化技術への対応に苦慮する企業も少なくない。

今後の展望

トヨタ自動車は、2030年までにEV関連の投資額を約4兆円に拡大する計画を発表しており、部品大手各社もこれに呼応する形で投資を加速している。しかし、EVシフトの速度は市場環境によって変化する可能性がある。デンソーの幹部は「長期的にはEVシフトは確実だが、短期的な需要変動には柔軟に対応する必要がある」と述べている。

トヨタ系部品大手の生き残り戦略は、電動化技術への集中投資と、グループ内の連携強化が鍵を握る。2025年までにどの程度の成果を上げられるかが、今後の競争力を左右することになりそうだ。

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