トヨタとテスラ、EV戦略で明暗分かれる 日本勢の課題
トヨタとテスラ、EV戦略で明暗 日本勢の課題

トヨタ自動車と米テスラの電気自動車(EV)戦略に明暗が分かれている。テスラは2024年7~9月期決算で売上高が前年同期比8%増の251億8200万ドル、純利益は17%増の21億6700万ドルと過去最高を更新した。一方、トヨタの同期のEV販売台数は世界で約4万6000台と、前期比で減少。日本メーカー全体のEVシェアは世界市場で約5%にとどまり、中国や欧州勢に大きく水をあけられている。

テスラの好調要因とトヨタの苦戦

テスラの好調は、中国市場での販売拡大とコスト削減が寄与した。上海ギガファクトリーの生産効率向上により、1台当たりの製造コストは前年比で約10%低下。また、米国での税額控除拡大も追い風となった。一方、トヨタはEV専用プラットフォーム「e-TNGA」の採用モデルが限定的で、ハイブリッド車(HV)との競合も販売低迷の一因とされる。トヨタの豊田章男会長は「EVの需要は予想よりも鈍い」と述べ、戦略の見直しを示唆した。

日本勢のEVシフト遅れ

日本自動車工業会のデータによると、2024年上半期の日本のEV販売台数は前年同期比で横ばいの約3万5000台。国内の充電インフラ整備の遅れや、消費者の航続距離への不安が普及の壁となっている。日産自動車は新型EV「アリア」の販売が伸び悩み、ホンダは北米でのEV生産計画を延期した。こうした状況を受け、経済産業省は2030年までに国内の充電器を30万基に増やす目標を掲げるが、現状は約3万基にとどまる。

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中国勢の台頭と世界市場の構図

世界EV市場では中国の比亜迪(BYD)が販売台数で首位を走る。2024年7~9月期のBYDの世界販売は約82万台で、テスラの約46万台を大きく上回る。BYDは低価格帯から高級車まで幅広いラインアップで攻勢をかける。欧州ではフォルクスワーゲン(VW)がEVシフトを加速し、2024年上半期のEV販売は前年比で約30%増加した。これに対し、トヨタを含む日本勢のEV販売は世界シェアで5%未満と、存在感が薄れている。

トヨタの巻き返し策と今後の展望

トヨタは2026年までにEVの年間販売台数を150万台に引き上げる計画を掲げる。そのために、次世代バッテリーの開発や、生産工程の効率化に注力する。また、2025年には新型EVの投入を予定しており、航続距離や充電時間の改善を図る。しかし、アナリストからは「計画の実現性は不透明」との声も上がる。日本勢全体としては、官民連携で充電インフラの整備や電池の国産化を進める必要があると指摘される。

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