トヨタと日産、EV電池リサイクルで新会社設立へ
トヨタと日産、EV電池リサイクル新会社 (05.07.2026)

トヨタ自動車と日産自動車が、電気自動車(EV)の使用済みリチウムイオン電池からレアメタルを回収するリサイクル事業で新会社を設立する方針を固めたことが、複数の関係者への取材で明らかになった。2024年度中の設立を目指しており、両社は協業によりリサイクルコストの低減と効率化を図る。

新会社設立の背景と目的

新会社は、両社のEVから排出される使用済み電池を集約し、リチウム、コバルト、ニッケルなどの貴重な金属を回収する。回収した金属は再び電池材料として供給する計画で、資源の循環利用を促進する。トヨタと日産は、2025年以降にEVの普及が本格化すると見ており、それに伴い増加する廃電池の処理問題に対応する必要があると判断した。

関係者によると、新会社の出資比率は両社で同等となる見通しで、第三者のリサイクル企業も参加する可能性がある。事業開始当初は年間処理能力を数千トン規模とし、将来的には数万トンに拡大する計画だ。

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EV市場の成長とリサイクルの必要性

国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、世界のEV販売台数は2023年に約1400万台となり、2030年には3000万台を超える見通し。日本でも政府が2035年までに新車販売の100%を電動車とする目標を掲げており、使用済み電池の増加が確実視されている。

リチウムイオン電池のリサイクルは、資源の有効活用だけでなく、環境負荷の低減にも寄与する。現在、日本国内では使用済み電池の多くが埋め立て処分されているが、リサイクル率は低い。新会社の設立により、リサイクル技術の高度化とコスト削減が期待される。

業界の動きと今後の展望

自動車メーカーによる電池リサイクルの動きは世界的に加速している。例えば、独フォルクスワーゲンは自社工場でのリサイクルを開始し、中国の比亜迪(BYD)もリサイクル事業に参入している。トヨタと日産の協業は、日本メーカーとして初の大規模な取り組みとなる。

「資源の安定確保と環境負荷低減の両立は、自動車業界全体の課題だ。今回の協業は、その解決に向けた重要な一歩となる」と、業界関係者は語る。新会社の設立により、日本国内での電池リサイクルの標準化が進む可能性もある。

両社は今後、詳細な事業計画を詰めるとともに、経済産業省などの関係省庁と調整を進める方針だ。また、他の自動車メーカーや電池メーカーの参加も視野に入れている。

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