トヨタと日産、EV用全固体電池の量産で新たな提携模索
トヨタと日産が全固体電池で量産提携へ

トヨタ自動車と日産自動車が、電気自動車(EV)向け次世代電池「全固体電池」の量産技術で提携を模索していることが明らかになった。両社は2030年までの実用化を目指し、開発コストの削減と国際競争力の強化を図る。関係者によると、トヨタが持つ全固体電池の特許技術と、日産の量産ノウハウを組み合わせる方向で調整が進められている。

全固体電池の量産に向けた背景

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が高く、充電時間が短いという利点がある。しかし、製造コストが高く、量産技術の確立が課題となっている。トヨタは2020年代前半に全固体電池を搭載したEVの販売を目指すと発表していたが、量産化の壁に直面していた。一方、日産は独自の全固体電池技術「ASSB」を開発中で、2028年までの実用化を目標に掲げている。

今回の提携は、両社が個別に進めてきた開発を統合することで、技術開発のスピードアップとコスト削減を狙う。特に、電極材料や電解質の製造工程で共通化できる部分があり、協業によって量産化のハードルを下げられる可能性がある。

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提携の具体的な内容と期待される効果

具体的には、トヨタの持つ硫化物系固体電解質の特許と、日産の電池パック設計技術を融合させ、標準化されたモジュールの開発を目指す。また、生産設備の共同調達や、製造ラインの共通化も検討されている。これにより、開発期間を3〜5年短縮できる見通しだ。

業界アナリストは、「日本の自動車メーカーが全固体電池で連携すれば、中国や韓国の電池メーカーに対抗できる可能性がある。しかし、両社の企業文化の違いや、技術のすり合わせには時間がかかるだろう」と指摘する。実際、トヨタと日産は過去に燃料電池車の分野でも提携を模索したが、実現には至らなかった経緯がある。

全固体電池市場の展望と競争

全固体電池の市場規模は、2025年には約1兆円、2030年には10兆円を超えると予測されている。現在、パナソニックやサムスンSDI、中国のCATLなどが開発を競っており、日本勢の巻き返しが急務となっている。トヨタと日産の提携が実現すれば、日本発の技術で市場をリードする可能性がある。

両社は今後、詳細な協業範囲や出資比率などを詰める予定で、年内にも正式発表される見通しだ。自動車業界では、EVシフトが加速する中、電池調達の安定化とコスト競争力の確保が生き残りの鍵を握っている。今回の動きは、日本の自動車産業全体の競争力向上につながるか注目される。

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