トヨタ自動車と日産自動車が、電気自動車(EV)市場で激しい競争を繰り広げている。両社は2025年までに新型EVを投入する計画を発表しており、日本市場でのシェア争いが本格化している。トヨタは2026年までにEVのラインアップを30車種に拡大する方針で、日産は2025年度までにEVとe-POWERを含む電動車両の販売比率を50%以上に引き上げる目標を掲げている。
トヨタのEV戦略:全方位攻勢
トヨタは2023年5月に、2026年までに次世代EVを10車種投入し、世界販売台数を150万台にする目標を発表した。また、2025年には北米で生産するEV向けに、同社初の自社開発EVプラットフォームを採用する。日本市場では、2024年に新型EV「bZ3」の販売を開始し、2025年には小型SUVタイプのEVを投入する予定だ。トヨタの豊田章男会長は「EVは重要な選択肢の一つだが、全方位的な戦略が必要だ」と述べ、ハイブリッド車や燃料電池車とのバランスを重視する姿勢を示している。
日産のEV戦略:リーフの後継と新型車
一方、日産は2024年に新型EV「アリア」の販売を開始し、2025年にはリーフの後継モデルを投入する計画だ。日産の内田誠社長は「日産はEVのパイオニアとして、2030年までに世界で27車種の電動車両を投入する」と語っている。日本市場では、2025年度までにEV販売比率を30%に引き上げる目標を掲げ、充電インフラの整備にも注力する。日産は2023年12月に、全国の販売店に急速充電器を設置する計画を発表し、2025年までに500基以上の充電器を追加する方針だ。
政府の支援と市場の反応
日本政府は2035年までに新車販売をすべて電動車両にする目標を掲げており、EV購入補助金や充電インフラ整備への補助金を拡充している。2023年度の補助金予算は1,000億円で、1台あたり最大80万円の補助金が支給されている。これにより、消費者のEV購入意欲が高まっており、2023年の日本国内のEV販売台数は前年比40%増の約8万台となった。しかし、EVの普及率はまだ全販売台数の2%程度にとどまっており、課題も多い。
競争の行方と課題
トヨタと日産の競争は、価格、航続距離、充電インフラの充実度など、多岐にわたる。トヨタはバッテリーの自社生産やリサイクル技術の開発を進め、コスト削減を目指す。日産は日立製作所との協業で急速充電技術の向上を図る。また、中国メーカーの日本市場参入も脅威となっている。BYDは2023年に日本でSUVタイプのEV「ATTO 3」の販売を開始し、2025年までに100店舗の展開を計画している。専門家は「日本市場は今後3年でEV競争が激化する。トヨタと日産が生き残るには、独自の技術とブランド力が鍵となる」と指摘する。



