トヨタ自動車と日産自動車が、電気自動車(EV)用電池の国内生産を大幅に強化する方針を固めた。政府の補助金制度を活用し、中国への依存度低減とサプライチェーン強靭化を図る。
トヨタ、2030年までに国内年産20GWhへ
トヨタは、2030年までに国内で年産20GWhのEV用電池生産能力を構築する計画だ。これは現在の計画の約2倍に相当し、政府の「蓄電池産業戦略」に基づく補助金を活用する。同社は2026年までに次世代電池「バイポーラ型ニッケル水素電池」の量産を開始し、2030年までに全固体電池の実用化を目指す。
日産、栃木工場で電池生産を内製化
日産は、栃木県の工場でEV用電池の内製化を進める。2028年までに年産10GWhの生産能力を確立し、中国からの電池調達を段階的に減らす。同社は「リチウムイオン電池のコスト競争力を高め、2030年までにEVの販売価格をガソリン車並みにする」としている。
政府補助金、国内電池生産に最大1.2兆円
政府は2023年度補正予算で、蓄電池の国内生産に対する補助金として最大1.2兆円を計上した。このうち、EV用電池の生産設備投資に対しては、最大で投資額の3分の1を補助する。経済産業省は「2030年までに国内で150GWhの生産能力を確保し、世界シェア20%を目指す」としている。
中国依存脱却、サプライチェーン強靭化が急務
現在、世界のEV用電池生産の約7割を中国が占める。地政学リスクや資源の偏在を踏まえ、各国で電池の自国生産が進む。日本でも、電池原料の安定調達と国内生産拠点の拡大が急務となっている。トヨタと日産の動きは、こうした流れを加速させるものだ。
業界再編の可能性も
電池の内製化には巨額の投資が必要で、中小メーカーには負担が重い。そのため、今後は企業間の提携や業界再編が進む可能性がある。実際、トヨタはパナソニックとの合弁会社「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ」を通じて電池開発を加速。日産は中国の電池大手CATLとの提携を継続しつつ、内製化を進める方針だ。



