EV普及の死角、中国で急増する充電インフラの課題
EV普及の死角、中国の充電インフラ課題

中国では電気自動車(EV)の販売が急増しているが、充電インフラの整備が需要に追いつかず、新たな課題が浮上している。2023年のEV販売台数は前年比35%増の約950万台に達した一方、充電スタンドの設置数は同60%増の約860万基と、伸び率では上回るものの、絶対数では依然として不足している。

都市部で深刻化する充電待ち

特に北京や上海などの大都市では、充電スタンドに長蛇の列ができる光景が日常化している。北京市在住のEV所有者、王さん(35歳)は「仕事帰りに充電しようとすると、平均で30分以上待つことも珍しくない。自宅に充電設備がないので、週に2回はこのストレスを感じている」と語る。中国自動車工業協会の調査によると、都市部の充電スタンド稼働率は平均で70%を超え、ピーク時には90%に達するという。

地方と都市の格差

一方、地方部では充電スタンドの絶対数が不足しており、EVの長距離移動に支障をきたしている。高速道路のサービスエリアでは、充電スタンドが4基しかない場所も多く、休日には最大2時間待ちになるケースもある。業界団体の報告書は、地方の充電インフラ整備率が都市部の半分以下であると指摘する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

補助金頼みのビジネスモデル

充電インフラ事業は、政府の補助金に大きく依存している。2022年、中国政府は充電スタンド設置に対し、1基あたり最大で約30万元(約600万円)の補助金を支給した。しかし、補助金に頼らない事業者の収益性は低く、独立採算が難しいのが実情だ。清華大学の李教授は「補助金が打ち切られれば、多くの事業者が撤退する可能性がある。持続可能なビジネスモデルの構築が急務だ」と警鐘を鳴らす。

技術的課題と今後の展望

充電速度の向上も課題の一つ。現在主流の急速充電器でも、バッテリーの80%充電には30分以上かかる。中国政府は2030年までに充電スタンドを2000万基に増やす目標を掲げるが、実現にはさらなる投資と技術革新が必要だ。また、電力網への負荷も懸念されており、スマートグリッドの導入が進められている。

中国のEV市場は今後も成長が見込まれるが、充電インフラの課題を解決しなければ、普及の足かせとなる可能性がある。政府と企業の連携による持続可能なインフラ整備が、今後の鍵を握る。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ