半導体不足解消もEVシフトで変わる自動車業界の新たな課題
半導体不足解消もEVシフトで変わる自動車業界の課題

長らく自動車業界を悩ませてきた半導体不足が、ようやく解消の兆しを見せている。しかし、業界は新たな課題に直面している。電気自動車(EV)シフトの加速に伴い、従来の部品調達やソフトウェア競争が激化しているのだ。

半導体不足の終焉と新たな局面

世界の自動車メーカーは、2020年以降続いた半導体不足により生産調整を余儀なくされてきた。しかし、2023年後半から供給が改善し、現在ではほぼ正常化したとされる。日産自動車の広報担当者は、「半導体の調達状況は改善しており、生産への影響はほぼなくなった」と述べている。

一方で、EVシフトに伴う需要構造の変化が新たな課題を生んでいる。従来のエンジン車に比べ、EVは半導体の使用量が約2倍に増加する。特にパワー半導体やセンサー類の需要が急増しており、供給体制の再構築が急務となっている。

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部品調達の変化とサプライチェーンの再編

EV化により、自動車の部品点数は従来の約3万点から約2万点に減少する一方、電子部品の比率が高まる。このため、部品メーカーには新たな技術対応が求められている。デンソーは、EV向けの電子部品の生産能力を2025年までに倍増させる計画を発表した。

また、バッテリーやモーターなどの主要部品では、中国企業の存在感が増している。日本の自動車メーカーは、安定調達のためにバッテリーの内製化や複数社からの調達を進めている。トヨタ自動車は、2026年までに次世代バッテリーの生産を開始する方針だ。

ソフトウェア競争の激化

EVシフトは、ハードウェアからソフトウェアへの競争軸の移行も促している。テスラや中国の新興メーカーが先行する中、日本の自動車メーカーも巻き返しを図る。ホンダは、ソニーとの合弁会社を通じて、高度な運転支援システムを搭載したEVを2025年に投入する予定だ。

業界アナリストは、「自動車の価値は、エンジンの性能からソフトウェアの機能に移りつつある。日本のメーカーが生き残るためには、ソフトウェア開発のスピードと人材確保が鍵になる」と指摘する。

今後の展望と課題

半導体不足の解消は歓迎すべきだが、業界は新たな変革期を迎えている。部品調達の多様化、ソフトウェア競争への対応、そして人材育成が急務だ。経済産業省は、自動車産業の競争力強化に向けた支援策を検討している。

日本の自動車メーカーがこの変革を乗り越え、世界市場で存在感を維持できるか、注目が集まる。

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