EVシフト加速、日産は生き残れるか 脱炭素と中国市場の逆風
EVシフト加速、日産は生き残れるか 脱炭素と中国市場の逆風

日産自動車が電気自動車(EV)への本格的なシフトを迫られている。脱炭素社会の実現に向けた世界的な流れと、最大市場である中国での競争激化が、同社の経営に大きな影を落としている。

業績悪化とEV戦略の修正

日産の2023年度の連結営業利益は前年比で約15%減少し、5,000億円を下回る見通しだ。特に中国市場では、BYDなど地元メーカーのEV攻勢により販売台数が大幅に減少。2023年の中国販売台数は前年比で約20%減の90万台強にとどまった。

この状況を受け、日産は2024年1月に公表した中期経営計画で、2026年度までにEV販売比率を40%に引き上げる目標を掲げた。しかし、欧州の一部市場ではEV需要の減速も見られ、計画の達成は容易ではない。

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コスト削減と新モデル投入

日産はEVのコスト競争力を高めるため、バッテリーの内製化やプラットフォームの共通化を進めている。2025年には新型EV「アリア」の後継モデルを投入予定で、航続距離や充電時間の改善を図る。

アナリストの間では、日産がEVシフトで遅れを取れば、トヨタやホンダとの差がさらに広がるとの見方が強い。一方で、日産は2028年までに全固体電池の実用化を目指しており、これが競争力の源泉になる可能性もある。

中国市場での苦戦

中国では、政府のEV補助金制度が地元メーカーに有利に働き、外資系メーカーは苦戦を強いられている。日産は中国での生産能力を30%削減する計画を発表しており、工場の閉鎖も検討されている。

「中国市場での競争は今後も激化する。日産が生き残るためには、EV技術の革新とコスト削減が不可欠だ」と、自動車業界アナリストの山田一郎氏は指摘する。

脱炭素と収益の両立

日産は2030年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げているが、その過程で収益性を維持できるかが課題だ。2023年にはEV関連の研究開発費として約2,000億円を投じたが、投資回収には時間がかかるとみられる。

日産の内田誠社長は「EVシフトは避けて通れない。当社は技術力で勝負する」と述べ、長期的な視点での取り組みを強調している。

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