日産自動車と三菱自動車が電気自動車(EV)分野での協業を拡大する方針を固めたことが、複数の関係者への取材で明らかになった。両社は軽EVの共同開発などで合意し、2020年代後半の投入を目指す。日産は2028年度までにEVなど電動車の販売比率を55%以上に引き上げる目標を掲げており、三菱自も電動化戦略を加速する。
軽EVの共同開発で合意
両社は軽自動車規格のEVを共同開発することで基本合意した。日産が持つEVプラットフォームやバッテリー技術を活用し、三菱自は軽自動車の生産ノウハウを提供する。開発コストの削減と商品力の向上が狙いで、2020年代後半の市場投入を目指す。日産の内田誠社長は「協業により、電動化の波に乗り遅れないようにする」とコメントしている。
背景には厳しい規制環境
世界的な環境規制の強化が背景にある。欧州連合(EU)は2035年以降、ガソリン車の新車販売を事実上禁止する方針で、日本政府も2035年までに乗用車新車販売を全て電動車にする目標を掲げる。日産と三菱自は、こうした規制に対応するため、協業による効率化が不可欠と判断した。また、中国や米国市場でもEVシフトが加速しており、競争力を維持するには開発・生産の規模拡大が求められている。
日産の電動化戦略
日産は2028年度までにEVなど電動車の販売比率を55%以上に引き上げる計画で、そのために必要な技術開発や生産体制の整備を進めている。同社はすでにリーフやアリアなどのEVを販売しており、今後は軽EVを含む幅広いラインアップを展開する方針。三菱自も電動化戦略を加速しており、2025年度までにEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の販売比率を50%以上に引き上げる目標を掲げている。
協業の範囲拡大も視野
両社は軽EVの共同開発にとどまらず、他の電動車分野でも協業を検討する可能性がある。日産と三菱自はすでに軽自動車のOEM供給などで協力関係にあるが、今回の協業拡大により、より緊密な連携が期待される。業界関係者は「両社の協業が、日本メーカーのEV競争力向上につながる」と評価している。
市場の反応と今後の課題
市場関係者の間では、今回の協業拡大を歓迎する声が多い。ただ、軽EVの価格設定や航続距離など、消費者のニーズに応える製品開発が課題となる。また、充電インフラの整備も普及の鍵を握る。両社は協業により、これらの課題解決を目指す方針だ。



